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読書 - 「Think Clearly」から学ぶ人生観

今回はベストセラーとなった「Think clearly」について思ったことを書きたいと思います。まず、衝撃的に突き刺さりました。”The king of 良書”です。以前、平野さんの「自分とは何か(記事はこちら)」というこれまた個人的には突き刺さった本を紹介しましたが、これだから読書はやめられないですね。それでは面白かった内容を中心にシェアします。


■ 偶然と努力の関係

さて、この本で特に印象深かったのは、偶然と努力に関する考察です。みなさんが、例えば過去の自分の成功した何かを思い出して、それが「偶然」と「自分の努力」何対何の割合かと問われたらどのように答えますか?

100%努力という傲慢なヒトは流石にいないと思いますが、私の場合、最初は偶然 4:努力 6くらいかなと思いました。そして筆者の結論は、自分の努力による結果は「0%」とのこと、センセーショナルですよねw


■ 卵巣の宝くじ理論

筆者はその理由について、投資家ウォーレンバフェットによる「卵巣の宝くじ」の話を引用しています。ざっくり言うと次の通りです。

①アメリカに生まれる
②バングラデッシュに生まれて税金免除の人生を過ごす

上記二者択一において、アメリカに生まれたおかげで後者よりも得られる収入は、本人の努力と偶然の割合で考える何対何か?という問いです。

この生まれた時点で概ね決まってしまう運命の格差の考え方を「卵巣の宝くじ」というようです。この質問に対しては、約8割の人が「偶然」と答える通り、仮に8割が正しいとしても、自分の努力はたった2割、つまり8割=「ほぼ生まれた環境に起因する」となります。


■ 先天的にも後天的にも偶然の影響が大きい

そしてこの卵巣の宝くじは生まれた国だけでなく、どの地域か、どの家庭に生まれるかでも大きな影響を与えることは想像に難くないですよね。そうなるとわかりやすい経済的な部分だけでなく、ソフト面での価値観といった個性に近いような部分も結局は育った環境で形成されることを考えると、大半は自分で身につけたものではない訳です。

もっと言うと、遺伝子レベルで決められる要素も多分にあることから、自分の親の遺伝子の組み合わせ、その前の祖父母の組みあわせ、その前の...と考えると、時空を超えてもはや自分の努力ではないと悟れます。

正確には自分は努力はしているけれど、そうやって努力できる時点で既に偶発的な構成要素の賜物であるといえます。


■ あなたの成功は何対何?

そして、改めて自分の成功(と考えられること)を思い浮かべた際に、筆者は「偶然と努力、その割合は?」と改めて考えると「ゼロ」ですよと、結論づけています。

これは私としては悲しさもありますがポジティブに響く内容でした。会社勤めの時に、時折、自分は会社で何十億円のビジネスを動かしているとドヤる人たちに出会すことがあり、常識ある人は会社の看板で仕事できていることを自覚していますが、中にはそうではない人もいます。

あるいは通常の自己紹介の枠を超えて、しきりに自分はどこどこの会社に勤めている、こんな職業だ、肩書だと言う人もいますよね。若手社員はそれでいいと思います。180度環境変わってやはり苦労しますから、試行錯誤する中でアイデンティティを、自分の存在意義を何かに見出したいとするのは人間そんなに強く無いですから自然なことだと思います。

ただ、いい年齢になってからもそんなことを言う人も案外いますよね、なので自分は起業したら(30歳で自分一人で起業することは決めていたので)会社の看板なしで勝負し、大企業で働くのではなく、大企業と取引できるようになることを一つのマイルストーンにしようと思い、ある意味そこに向けてもこれまで「努力」し、実際に様々な大手の企業さんと幸いに取引させて頂くに至った経緯があります。

そしてこのタイミングで、「いやいや、それ別にあなたの努力じゃないから。生まれた環境によるものだよ。100%ね。」と言われた訳です。

私としては、「ん~・・・そこまで否定しなくても・・・・いや、でも分かる!」が本音でした。いや、普通に考えてそうだなと腹落ちしました。


■ 自分で決めて生まれた訳でない

自分で設計した訳でもない遺伝子を持って、この世に生まれ、そこから派生して幾多の出会いを通して、今があるとは、まさに疑いようもない事実です。ゆえに薄々感づいていたことに対して、タイムリーにズバッとこの本で指摘され、自分として腹落ち感を得たかった領域、曖昧模糊としていた部分が明確になったことが本当に清々しい気分でした。

■ 諸行無常でいきましょう

そうすると、何かに打ち込むのも、楽したいなぁと思った時にもう一踏ん張りと自分を鼓舞するのも、いずれも自然発生的に起きるのだと思うと、授かったモノに感謝し、次はそれらを活かして、どうやって自分が社会に貢献できるか?をよりフレッシュな視点で捉えるきっかけになりました。

そしてなによりも「諸行無常」がどういったものなのか、またひとつおぼろげながら分かった気がします。

やっぱり本を読むのは大事ですね。いや~名著でした。


■ 今回の書籍について

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