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息を続けるために書く
ノートを開いて、ペンを取る。
書きたいことがある時も、書きたいことがない時も、まずは椅子に座ってそうしてみる。
この時間がどれだけ大切か、ここ数日でひしひしと感じている。
わたしは昔から、絵を描くこと、文章を書くことが好きだった。
ゲーム機のない家庭だったので、家ではおままごと、お絵描き、お菓子作りなどをして過ごしていた。
父はDIYが好きで、ウッドデッキを自作するくらいの熱量だった。
幼い頃は、寝る前にオリジナルの物語を話してくれた。(父の好きなスターウォーズのオマージュは、子どものわたしにはよくわからなかったけれど、笑っていた記憶はある)
母は手芸が好きで、学校に持って行く手提げや、巾着袋などを手作りしてくれていた。
姉と小説を作っていたこともあったな〜
お互いに数ページずつ文章や絵を描く。
今思うと、かなりクリエイティブな家庭だったのでは?と感心する。
その経験が影響しているのか、読書感想文などの作文に苦手意識はなかったし
美術も大好きだったし
授業のノートも、色やイラストを用いてまとめては、見返してにんまりとしているような学生だった。
そんな気持ちを、大人になった今
改めて思い出している。
ノートを開いてペンを持つだけで、心が躍る感覚。
何も思いつかなくても、ただノートのページをペラペラとめくる。
そうしているうちに、
''あ、これを書こう''
と自然と筆が動く。
動き出せばもうそこは、わたしだけの世界。
''え、楽しいな''
と心の声を1人の部屋に漏らす。
気がつけば1〜2時間は過ぎていて、あっという間に寝る時間。
それでもわくわくは止まらなくて、あとこれだけ、あとこれだけ、と続けているので
最近はやや寝不足。(これはおすすめしない)
それでも、わたしの生活は
紛れもなく穏やかで心地良くなっている。
書くことが、わたしを救ってくれている。
特に日記は最高だ。
どうせ続かないだろうな、と思ったわたしの予想と裏腹に、もう3週間ほど書き続けている。
A5サイズのノートを4分割しているので、スペースとしてはそれほど多くない。
1日過ごしていれば、そのくらいのスペースは悠に埋まる。
続いていくのが楽しい。
なにより、''日記を書く''ことが頭の片隅にあることで、日々への向き合い方が変わった。
嫌なことがあっても
''う〜!!いやだ!でも、日記は良いことを書いて終わりたいからなんとかしよう''
と思える。
なんて素晴らしいの、、
おかげさまで、3週間の日記には嫌なことなどほとんど書いていない。(よっぽど腹が立ったことは書いている)
なんだかんだ、毎日は良い日だ。
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手書きのスケジュールページが好きで
ただ眺めたりする
ちょうど、ノートに日々のことや、少し先のことを書き溜めるようになった頃
松浦弥太郎さんの本を読んだ。
''あ〜この本を読むために、わたしはここまで息を続けてきたんだ''
と思えた瞬間があった。
彼の言葉、ひとつひとつが結びついて、線となって、面を作っていく感覚。
今まで曇っていた霧が晴れていくような。
そして、もうかれこれ5年ほど続けている
このnoteも、すべてここに辿り着くためだったのだと。
すべてが心にストンと落ちていった。
時々、思い立ったら書いていた昔の日記や、過去のnoteを読み返す。
目を瞑りたくなるような恥ずかしい文章もたくさんあるけれど
それも全部、今のわたしのための言葉たちなんだね。
そう思うと、愛おしくてたまらない。
書き続けていて、よかったな。
(もちろん、わたしが書くことで
誰かを傷つけてしまう可能性を忘れてはいけない。それだけは。)
そういえば
''日記を書いている''
なんて
好きな人は全く理解してくれない。
''え…なんか手紙とか日記とか、h nさんどんどん古風になってない…?''
とやや引かれる始末。
(彼曰く、理解できないことは、自分の横にある別の箱に置いている感覚なので、決して馬鹿にしたり見下しているわけではないらしいが)
おかしなことじゃないと思うんだけどな。
今までのわたしなら、好きな人には
わたしの全てを知って、理解して、共感してほしいと望んでいたけれど
日々、日記を書いていく中で
少しずつ''確固たる自分''のようなものが見えてきた。
誰になんて言われようと
この日々だけはわたしが守ると。
そう思えている。
だから、彼の''共感box''に入れてもらえなくてもいいんだ。
''書くこと''がわたしを救ってくれている。
これは紛れもない事実。
今まで取りこぼしてしまった分、これからは日々を丁寧に丁寧に。
あたたかい気持ちになれた今日もまた、
わたしの大切な1ページに刻まれる。