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詩アルバム

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柊月の詩作品を集めてあります。
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記事一覧

ムラサキ

いつの頃からか そうして控えている 知的なまなざしの面影 赤や黄のうつろいが 小麦色の光に…

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はぜる

夜まつりの能舞台は 板のはぜる音がひびく かがり火に照らされて こんなところまで おもては遠…

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ピアノ

和声の際立つピアノは 七色に音色をくゆらせ 聴く者を絵画の世界へ誘う 甘やかな貴婦人のピア…

20

風のうなる晩は 潮風を思い出す 行き交う車の賑々しさに 遠く波音を聞きながら 月が涙に低く蕩…

16

ハープ

新芽がそよぎ出したから ハープを持って丘に登ろう クローバーが群生して ホイッスルを待って…

9

マスク

陽気な日差しが 窓辺の小さなベッドを包む 道半ばの新境地 船旅の星空 湖畔のコテージ 果たせ…

7

小春日の猫

通りすがりの街猫が訪れる芝生 陽だまりの庭で 丸くなる黒猫の背中が じんわりと温かい 表の小さな竜巻 秋の名残りがカラカラと舞う 時折ぴくりとする耳が 先取りする小春を捕まえる 鼻先をかすめる紅葉が はらり 欅の集会に紛れるのを 薄目に確かめて 大きくひと伸び 丸いくぼみを残して去りゆく **************** 2020年11月23日Twitter掲載詩 謝辞:画像作成には『L版SSメーカー』sscard.monokakitoolz.net/ を使わせてい

創作工程

封筒の余白に 裏紙のそのまた空白に はしり書き ほんの書きつけ 思いつく様を書き出してみる …

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追憶の庭

あなたがこの地にいたことをおもい 今 私もここにいることを ひしひしと感じる この階段を踏…

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