マスク
陽気な日差しが
窓辺の小さなベッドを包む
道半ばの新境地
船旅の星空
湖畔のコテージ
果たせなかった約束
あなたのデスマスクは
一切の苦しみから
穏やかに解き放たれ 安らかだ
焼却された調度のレプリカが
あなたを今に伝える
来訪者に
水のマスクを授けながら
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2021年3月7日 「深夜の二時間作詩」によるTwitter投稿詩『マスク』
ローマに客死したロマン派詩人、John KEATS。
結核による転地療養のため、湿ったロンドンからの船旅ののち、ローマはスペイン広場横の小さな一室にいました。今はKeats-Shelley Houseとして公開されている彼の最期の居室は、とても居心地の良い空間です。しかしながら、結核という感染力の強い、不治の病であったことから、調度等々は焼き払われてしまったのだとか。
1821年2月23日にわずか25歳でその生涯を閉じた詩人の、没後200年周年。
”Here lies one whose name was wrirt* in water" =水に名が書かれし者、ここに眠る、という彼の墓碑銘に想を得た詩です。
*古い英語によるwriteの異形。フレーズなどで母音を落として書くことがある。
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謝辞:画像作成には『L版SSメーカー』sscard.monokakitoolz.net/ を使わせていただきました。