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日和とフィーカ

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カフェとコーヒー、それに付随する物語をちょっとしたフィーカとして飲み干してみてください もしよければ、1杯のコーヒーとちょっとしたお菓子をひろげながら、僕と言葉を交わすように読ん…
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記事一覧

日和とフィーカ〜7杯目〜

日和とフィーカ〜7杯目〜

風の中で映る記憶

晴天の下、所用がありバイクに跨っている。まぁなんてことはないただの帰省です。夏の終わり頃はことごとく悪天候を引き当ててしまい、全くツーリングに出かけることもできなかったので、僕は久々の帰省の足を愛車のReble250に委ねることにした。

時間が押していたため(二度寝した上にバイクの鍵がなかなか見つからなかったから)やむをえず高速道路のルートを選択する。パワー不足故にできればの

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日和とフィーカ~6杯目~

日和とフィーカ~6杯目~

1ヶ月が経過したものの、気分とnoteの所在地はまだ東京のまま。まだ少しの間、東京という町にお世話になろうかと思います。

人や物や音楽やお店、これらと僕たちとの出会い方というのはありきたりなきっかけによるものもあれば、はたまた想像出来ないほどのシチュエーションに潜んでいることも少なくはない。
好きな芸能人がCMをしているアイテムなんか最速で手にしたくなるものだと思うし、友人に勧められたアーティス

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日和とフィーカ~5杯目~

日和とフィーカ~5杯目~

シューという名の女の子

この日の用事をあらかた終わらせた僕は、まっさらなその後の予定に何を描き加えるべく、スマホを片手に左右に立ち並ぶビル郡を見渡しながら歩いていた。日中はビルの窓の一つ一つから、さまざまな店が顔をのぞかせては手招いていたが、20時を過ぎる頃になるとこの通りからは人の声も減り、示し合わせたかのように看板がしまわれ始める。なるほど、街自体におおよその活動時間があるようだ。しかたない

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日和とフィーカ〜4杯目〜

日和とフィーカ〜4杯目〜

 椅子に腰をかけたまま思い切り伸びをする。これはかつて国家試験で死ぬほど机に向かっていて時に身につけてしまった癖だ。どこの椅子であろうとも、問答無用で自動的に手が天高く伸びてしまう。例えその場がどれだけ厳格たる聖域だとしても、その無意識下の衝動を抑えることはまるでできないのだ。確信すらしている。
 伸びをするという動作は肩や腰が凝ってしまうからと、それを解消するために始めたことのように思う。しかし

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日和とフィーカ〜3杯目〜

日和とフィーカ〜3杯目〜

That's for Sure 窓際に座り、好きな曲を聴きながら読書をしている。空は晴天で見渡す限り雲ひとつなく澄み切った青。ガラス越しに差し込む光は僕を含む休日の街を照らしている。ああ、以前にもこんな場面があった気がするなと思い出し、何となくプレイリスト外の曲を検索、再生。冒頭に流れ始めるピアノの音と共に当時の光景が頭の中で再生される。
 何年も前の話、何かきっかけがあったかなど全く覚えていない

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日和とフィーカ〜2杯目〜

日和とフィーカ〜2杯目〜

全国のスターバックス様
 ちょっと一息をつきたい時、少し時間を潰したい時、誰かと時間を共有したい時、そんな時に圧倒的な安心感を与えてくれるスターバックス(以下スタバ)。担保された空間が全国各地に構えられているという事実から、何かある度にお世話になる方も多いのではないでしょうか。
 何か作業をする時の選択肢の一つとして、日和もいつもお世話になっております。内装や客層などの違いはあれど、移動先なんかで

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日和とフィーカ〜1杯目〜

日和とフィーカ〜1杯目〜

前書き:僕たちの日々 皆さんは人間の五感について意識したことがあるでしょうか。視覚・嗅覚・触覚・味覚・聴覚の5つの感覚のことです。人によってその感じ方に違いはありますが、それらは感じようと思わなくても自然に働いて、何かしらの情報を身体にもたらしてくれる物ですね。
 春夏秋冬の季節の匂い、旅先での風景、大切な人と繋ぐ手の感触、ちょっと奮発して食べるディナーの味、街中で耳にする喧騒や音楽。感覚があるか

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日和とフィーカ〜0杯目〜

日和とフィーカ〜0杯目〜

前書きとして 僕はコーヒーを飲むのが好きです。だからといって、コーヒーについて熱く語れるほどの想いや知識があるわけではありません。ただコーヒーが「コーヒー」という記号として好き、なのです。
 気に入った豆があれば購入し、自分好みに挽き、ただ自分一人の空間で、自分の一日のうちの何分、何時間かをその香りや風味で満たす。種類が変わっては自分の中でしっくりくる淹れ方を模索し、新たな香りを見つけ出す。そうや

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