身近なところに花と緑の国がある
道端に、公園に、元気な花と緑があふれています。
こんな緑のベットの上で寝れたら、ぐっすり眠れるだろうなあ。
「いらっしゃい」
「ではちょっと失礼」
大の字になったら沈んだりして。
巨大台風に押し倒されたって、へこたれやしない。
「もう一度、立ち上がるんだ。空は俺のものだ」
「うん。わかる。その気持ち」
車道脇にお花の V サイン。
置いて頂いた隣家の方に感謝です。
「サインはV」ってテレビ番組あったな。こっちの方が華やかだぞ。
センターラインなんか邪魔だよ。どきな。主役は俺さ。
ライバル登場。
白と青の四つ相撲。引き分けか。青が優勢だぞ。
白が挽回。青を押し切る。もう一輪の青は、逃げちゃった。
「元気ないな。リポビタンDを飲みな。養命酒もあるよ。リアルゴールドも、どうだい」
「そうですね。自動販売機どこでしたっけ。1万円、使えますかね。釣銭出なかったらどうしよう」
「そんな心配をしているから、疲れるんだよ」
右後ろの赤い三角のコーンが、頷きました。
花の街。色とりどり。
「町内会はあるのかな」
「あるけどね。役員、まだ決まってないんだ」
「何言ってんだよ。全員、役員さ」
子供たちを見守る緑の森。
そういえば、父とよく散歩で立ち寄り、花の前のベンチに座って、元気な子供たちを見ていたものです。父に元気をくれてありがとう。
「可愛いね」
晩年の父の声が聞こえてきます。
すると森の声。
「我々にお任せを。子供たちをお守ります」
首を傾げるウサギさん。
「人間たちは何をしているのかいな。戦争とか暗殺とか。わたしなんか、ずっと平和のままよ」
「すみません。おっしゃるとおりです」
たった一輪だって孤独じゃない。鼻歌が聞こえてくるよ。楽し気に。
「天上天下に我一人。唯我独尊」
「肩こらない?」
「ちょっとね」
ほらね。仲間たちがいっぱい。にぎやかだ。
「おーい。こっちこいよ」
「やだね。俺の世界は、でっかいんだ」
俺の出番だ。私の出番よ。
「ジャニーズになんか、負けないわ」
「でも、スノーマンのサインはほしな」
一同
「御意」
「お勤めご苦労さん。でも、君を育てるのは、もう限界なんだ。今まで緑を楽しませてくれて、ありがとう。あの世から小さな草花たちを見守ってくれよな」