ほほえみ

どこかでひっそりと暮らしている喪女。そろそろ出家しそう。

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「君たちはどう生きるか」起~承前半までネタバレ&考察

「君たちはどう生きるか」、雑にまとめると「スター大集合!ジブリ好きなら分かるあの映画のシーンオマージュ集!」って感じでした。 とりあえずカエル苦手な人とドラえもんの魔界大冒険が苦手な人は見ない方がいいです。犬猫は死にません。鳥好きはちょっと注意。ストーリー仕立てって感じではないですが結末はなしで物語の「起」から「承前半」までネタバレします。公開初日にネタバレなんて無粋、と仰る方も一度1.の項目だけ読んでください。早くネタバレ見せろ!って方は2まで飛ばしてください。 というかネ

    • 「付き合ってあげてもいいかな」登場人物の性に関する考察?(ネタバレ含む)

      「付き合ってあげてもいいかな」というマーベラス素晴らしい漫画をご存じだろうか。まあこんな辺境ノートに辿り着くのは知ってる人がほとんどだよね。ごめん。 一応知らない人の為に補足すると、女の子が好きな女子二人が主人公だ。一般的には百合漫画のジャンルに入る。こ時点で尻込みする方もいるかもしれないが、激しい性描写はなく寧ろ主役の女子二人の恋人としての関係性を軸に、周囲の人々を含めた様々な「性」を描くことをメインにしてるので群像劇が好きな方やネトフリのセッ◯スエドゥケーションが好きな

      • どうかみんな救われますように

        4/5カーテンから透ける光で目が覚めた。昨日は一日中ドライバーを握りしめていたから手が赤く腫れて痛い。食料の買い出しとか、職場に提出しなければいけない書類のコピーとかやるべき事が沢山あったので家着のまま久しぶりに家に出た。久々の外は思ったよりも暑くて、ニット素材のカーディガンを着てきた事を後悔した。 スーパー目指して坂道を下っていくと、強い風が吹いて私の髪をかき混ぜながら、どこからか桜の花びらを飛ばしてくる。坂を下りきったところの並木がいつの間にか桜並木に変わっていた。すれ

        • ミッドサマー 感想&解釈(うろ覚え全ストーリーネタバレあり)

          ミッドサマー見ました。内容があまりに予想以上だったので、うろ覚えなストーリーネタバレしつつ解釈垂れて自分の心の整理をつけたいと思います。ネタバレ嫌な人は戻ってくださいね。あ、あと、大前提として、筆者はミッドサマーはホラー映画ではなく恋愛映画として捉えています。 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ まず、主人公のダニーは双極性障害の妹を持ち、さらに自身は不安障害を患っています。妹が度々騒ぎを起こし振り回され、不安でパニックになります。それを4年と少しの期間、側でずっと支

        「君たちはどう生きるか」起~承前半までネタバレ&考察

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        • 逃避行一泊二日
          3本

        記事

          はじめてうどんを半玉残せた日

          私は食べ物を残すという事が出来なかった。 捨てる訳ではなく、取っておいて明日食べるというのも駄目だった。そうしようと冷蔵庫に余りをしまいこんで5分も経つと、喉の奥に小骨が刺さったような罪悪感に苛まれる。気になって気になって仕方がなく、結局は根負けをして余りを冷蔵庫から取り出して無理矢理かき込んでいた。たとえどれだけお腹がいっぱいであっても同じだった。 心当たりはあった。母だ。母の子供の姉、弟、そして私はそれぞれキャラクターのようなものを決められ、求められていた。 姉は清

          はじめてうどんを半玉残せた日

          おぞましい二人

          男は銀行員と専業主婦の夫婦の元に生まれた。優秀な兄といつも比べられ、お前は銀行員の息子なんだぞと尻を叩かれて育った。父親はタバコと酒とパチンコを生き甲斐としていた。たまにパチンコで勝つと景品のお菓子をさも愛情そのもののように仰々しく男に渡した。男はそれを自分の部屋に持っていき、チラシで何重にも包んで捨てた。父親は誰かを呼ぶ時、言葉や名前の代わりに人差し指と中指をピンと伸ばして腕を叩いた。男は手を近づけられると体が跳ねるようになってしまった。成績だけが全てだと叩き込まれた男は、

          おぞましい二人

          2020年の目標&備忘録

          ・自分を甘やかして程々に生きる ・やりたい事はとにかくやる ・自分の機嫌の取り方をたくさん覚える ・誰かにイラっとした時、まずはその人が今までしてくれた事を思い出してみる ・怒りや悲しみは私だけにしか分からないようにする ・誰かに優しくされたら、一回ではなく機会があるだけ優しさを返す ・誰も知らない所でみんなのために動いてくれている人がいたら感謝を言葉にする、一緒に動く ・誰かを褒める時は言動、服装のセンスなどにする  ・向こうから望まれなければ決して容姿やス

          2020年の目標&備忘録

          クリぼっちを放っておいて

          今日は12/25、クリスマス本番だ。 カップルにとっての本番はもう過ぎたが、それでも町に出れば笑顔の恋人同士や家族の姿がある。中には友達同士なのか、仲の良やそうなグループやペアの姿もある。 ひと昔前は“恋人がいない奴は悲惨”なんて散々な事を言われたものだけれど、“クリぼっち”などと自虐ネタが流行り、最近は恋人がいない事をそこまで悲観する人も、またそれをからかう人も少ないように思う。 さて、話が変わるが、私は22歳の女である。今年から新社会人として働き、一人暮らしを始め、

          クリぼっちを放っておいて

          親不孝娘

          私は母が嫌いだ。理由は簡単、幼い頃から私の全てを徹底的に否定してきたからだ。 私は物心ついた時から母に褒められた記憶がない。母に言われてきた言葉は大抵私の見た目を貶すものだった。 「目つきが悪い、人○ろしみたい」 「アンタは鼻が残念だね」 「姿勢が悪い、お化けみたい」 小4の頃私がストレスでパン耳を貪り始め、急激に太ってからはもっと悪化した。 「象の足みたい!」 「アンタ本当にヤバイよ」 ついには私のお気に入りの緑色のショートパンツを手にとって 「こんなんじ

          親不孝娘

          夏を待っている

          冬になってしまった。 昔から冬は嫌いだ。静電気はひどいしお気に入りの服もない。それに暗いし、今まで経験してきた嫌な事は大抵寒い時に起こった。 今年の冬もどうやら同じらしい。来年、家族がみんなバラバラになってしまう事が決まった。夏までには皆が遠くに行って第二の人生を模索するらしい。日本に残るのは私と、消息不明の父だけだ。 それを知らされたのは姉と大戸屋に行った時である。私は家族が別々に生きることを一度に知らされて、箸でつまんだ魚のほぐし身を一度置いた。 「なんか、みんな

          夏を待っている

          元友人からの手紙

          職業柄、手紙を書くことが多い。 返事をもらえるかどうかはまちまちだが、それでもこちらからは出さない事はまずない。 内容は様々で、事務的なものから暑中見舞いまで幅広く書いており、個人に宛てるものはくだけた感じでイラストまで入れたりもしていた。そのため手紙は大分書き慣れていた。 その日も手紙を書いていて、宛先の住所を書く時になって相手の住所をど忘れした私は、相手からの手紙が来ていたはずと今まで貰った手紙をまとめて入れた箱を漁っていた。そしてふと、元友人からの手紙を見つけた。

          元友人からの手紙

          地獄から逃げた先にはまた別の地獄がある

          転職活動をした。 理由は以前にも書いたが、長年の夢であった現職の現実との乖離があり過ぎた事に加え、残業時間が毎月100時間を越えている現状に心が死にそうになっているからだ。もちろん残業代は出ない。 転職先はとにかく残業が少なく、仕事内容に責任がないところに絞った。給与が少なくてもいい、健康で文化的な最低限度の生活を保障してくれる企業こそが御社だ。早く人間になりたい。そんな不純かつ生理的欲求に基づいて履歴書を送りつけた。 そして辿り着いた面接先で、でほとんどの企業から言わ

          地獄から逃げた先にはまた別の地獄がある

          逃避行一泊二日最終話(旅二日目編)

          悪夢から目が覚めて、ひらけた視界に映るものがいつもと違う事に数秒フリーズする。そして旅に出かけている事を思い出すと何だか心細い心地がした。助手席の方を振り向くと、そこには真っ白い顔の化け物がいた。いや違う。パックをしている友人がいた。一瞬飛び跳ねてしまった事を恥ずかしく思いながら、おはよ、と挨拶すると、彼女もおはよ、と答えた。昨夜の気まずさはなかったことになっていた。 「よく寝れた?」 「うん、体バキバキだけど」 「私も〜」 「てかお腹減った」 「ご飯食べよっか、ど

          逃避行一泊二日最終話(旅二日目編)

          逃避行一泊二日(旅1日目編)

          決行の日、生憎雨が降っていた。私は駅のロータリーでオンボロ車に乗りながら今日来るはずの彼女を待っていた。その間今後のことについて考えていた。逃げてからどうしよう。新しい家はどうやって借りたらいいだろう。再就職するにも面接で「どうしてこんな短期間で仕事を辞めたのか」と突っ込まれたら何と答えよう。逃げたかったからですなんて答える訳にもいくまい。そういえば家族からこの前のメールの返信はない。ついに見限られたのだろうか。だとしたら私が知らない私を知る人が1/3程度減ってしまうな。まあ

          逃避行一泊二日(旅1日目編)

          逃避行一泊二日(逃亡前夜編)

          物心ついた時からずっとどこかに逃げたかった。どこにかは分からない。けれど、高校に向かう電車の中で、一人きりの家の中で、人混みの喧騒の中で、私はいつも逃げたかった。その衝動に駆られる度に臆病な理性がそれを窘め、実際に行動に移す事は出来なかった。 社会人になって半年が経った頃、私はとても疲れていた。就職した先は定時や残業代という概念が存在せず、朝は6:50分に出勤して20:00に帰るという生活を送っていた。それに見合う手取りという訳でもなく、仕事にやりがいがある訳ではなく、鏡に

          逃避行一泊二日(逃亡前夜編)

          いじめられっ子式呪法

          中学三年生の時、私はひどいイジメを受けた。直接的な暴力はなかったが、毎日ほほえみ死ね、消えろ、と叫ばれ、学校中の誰からも無視をされた。体育の時間はわざとボールをぶつけられ、体育大会に向けてのダンスの練習では私が少し動く度にクスクスと笑われた。いじめの首謀者は元は同じ仲良しグループにいた女の子だった。はっきりとした理由は分からない。私が彼女の気に触る事をしてしまったのか、それとも気まぐれか、とにかくそれは突然始まった。私は繰り返し謝ったりプレゼントを届けたりして仲直りをしようと

          いじめられっ子式呪法