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逃避行一泊二日

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逃避行一泊二日最終話(旅二日目編)

悪夢から目が覚めて、ひらけた視界に映るものがいつもと違う事に数秒フリーズする。そして旅に出かけている事を思い出すと何だか心細い心地がした。助手席の方を振り向くと、そこには真っ白い顔の化け物がいた。いや違う。パックをしている友人がいた。一瞬飛び跳ねてしまった事を恥ずかしく思いながら、おはよ、と挨拶すると、彼女もおはよ、と答えた。昨夜の気まずさはなかったことになっていた。

「よく寝れた?」

「うん

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逃避行一泊二日(旅1日目編)

決行の日、生憎雨が降っていた。私は駅のロータリーでオンボロ車に乗りながら今日来るはずの彼女を待っていた。その間今後のことについて考えていた。逃げてからどうしよう。新しい家はどうやって借りたらいいだろう。再就職するにも面接で「どうしてこんな短期間で仕事を辞めたのか」と突っ込まれたら何と答えよう。逃げたかったからですなんて答える訳にもいくまい。そういえば家族からこの前のメールの返信はない。ついに見限ら

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逃避行一泊二日(逃亡前夜編)

物心ついた時からずっとどこかに逃げたかった。どこにかは分からない。けれど、高校に向かう電車の中で、一人きりの家の中で、人混みの喧騒の中で、私はいつも逃げたかった。その衝動に駆られる度に臆病な理性がそれを窘め、実際に行動に移す事は出来なかった。

社会人になって半年が経った頃、私はとても疲れていた。就職した先は定時や残業代という概念が存在せず、朝は6:50分に出勤して20:00に帰るという生活を送っ

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