レコードジャケット博覧会シリーズvol.6 / デザイナー・ヒプノシス(アーチスト集団)編
さて、数多く聞いてきた音楽の中でも、これぞ!!というジャケットにたくさん出会いました。そんな記憶に残って、LPがあるならLPで持っていたくなるような、そんなジャケットを何回かに分けてご紹介してみます。
今回は、「ヒプノシス」というアーチスト集団の手掛けてきたジャケットを特集いたします。
このヒプノシス、マグリットや、ダリの絵を想像していただくとわかりやすいと思うんですが、絶対にこの世の中ではありえない情景や、あったとしてもどこか不可思議な風景をLPジャケットに展開していたんです。
LPが好きなの理由の一つはこういうアーチストが手掛けたジャケットを見る楽しみもありますね。
CDになっても、相変わらず活躍をしております。
今回はいくつかピックアップしてみました。不可思議な世界にようこそ!
Pink Floyd 「A Momentary Lapse of Reason」
これ、なんとCGじゃないんです。実際、浜辺にベッドを並べたんだそうです。
タイトルは、理性喪失の瞬間。。。
これを見た瞬間、、、。まさに。
Dream Theater 「A Dramaic Turn of Events」
タイトルは、「ドラマチックなイベントの転換点」でしょうか。今にも切れそうなロープの上の、バランスがとりにくい一輪車。そしてその下になぜか飛行機の尾翼が見えている。。。
飛行機がこの距離で飛んだら、曲芸どころではないし。。。しかもロープが切れそうだし。この後に起きる出来事のドラマチックさを感じますね。
Anthrax 「Stomp 442」
Stompとは、踏みつけるという意味。踏みつけられて、丸まった鉄くずのイメージなのでしょうか。右端の人の身長から、この物体の大きさがわかりますが。。。さすがにこれは合成でしょう。
Pink Floyd 「The Division Bell」
邦題「対」、タイトル英訳は「分割の鐘」。これは実際の建造物だそうで、かなり大きいものなんだそう。対、対称性、、、、分割されても対称性があり、一つになっても左右対称。別れていても一つの輪郭に見える。。
94年ごろの作品ですが、来るべきEUの諸問題をこの時に表現していたのかなとも思えますね。
10CC 「Deceptive Bends」
猜疑的な環、、、というような意味合いでしょうか。。ミスチルの某アルバムに酷似していますね。ミスチルはこれをモチーフにしたのでしょうか??
円形の切り抜き、円形のメット、女性の曲線、、、これらがあてにならないとしたら。。。
Trees 「On the Shore」
バンド名はTREES、ジャケットは林というか原っぱ。なのにタイトルがOn the Shore。少女が投げかける水と、空気の境界をOn the Shoreと表現したのでしょうか??
UFO 「Phenomenon」
UFOというグループの「現象」という意味のアルバム。上空にUFOがいますね。青と赤と緑と白の切り取り方が巧みです。
Dream Theater 「Falling into Infinity」
夢幻(無限)の中に落ちていくという意味合いのジャケット。双眼鏡でのぞきあう二人を覗くもう一つの目:双眼鏡。まさに、夢幻の境地、無限の広がりを感じます。
松任谷由実「Voyager」
松任谷由実もヒプノシスジャケットがありました。映画ウォーターワールドのような、ビルディングの海を泳ぐ女性。まさにVoyager。
Pink Floyd「Atom Heart Mother」
以前紹介したこのジャケットもヒプノシス。原子・心・母、、というタイトルのジャケットはこのデザイン。深い。。。
Elegy 「The Nice」
何でしょうねえ、この雰囲気。この赤いボールはなんなのか。。いろいろ考えだすと想像が沸いてきますよね。。
Led Zeppelin 「Houses of the Holy」
聖なる館というタイトルが示すように、この少年少女たちが向かうのは、頂にある聖なる館なのでしょうか。
佐野元春&The Coyote Band 「Blood Moon」
何を積んでいるのでしょうか。落としてしまった人がいますが、彼に待ち受けているものは何なのでしょうか?
頭上に何かを積んで歩く行為に意味は無いはず。でも盲目的に従っていて、大して意味もないのに、落としてしまうことが失敗であり、罪悪感を感じてしまうようになる。。。。
現代社会にももしかするとこれに似たようなものがあるのかも。。。しれません。
Pink Floyd 「The Dark Side of the Moon」
月の裏側。。ダークサイド。月には、そのものずばり、月という意味のほかに「狂」という意味があります。
また、月は、その半分の面しが地球に見せておらず、反対の面に何があるのかは見ることはできません。まさに「闇」。
「狂気」と「闇」。その狭間で人は何を見るのか。
プリズムに向かう光線は一つでも、それは七色に変化して放射される。
ダークサイドにはバラ色の未来が待っているのか、、、どうなのか。。
Mars Volta「Frances the Mute」
最後は、マーズヴォルタの直訳「黙秘するフランシス」。まさに黙秘、、
反対側の車に乗っている人も、同じような風貌で、これまた黙秘。
この覆面の赤が良いエッセンスになってますね。
というわけで今回は、ヒプノシス特集でした!
◆過去のジャケット特集
こちらの記事の末尾にに掲載しております。ぜひご覧ください。
いつも読んで下さってありがとうございます。頂いたサポートはいろんな音楽などを聴いてご紹介するチカラになります。あなたに読んでいただき、新たな出会いを楽しんでいただけるよう、大切に使わせて頂きます。よろしくお願いします!