偉大なる英国アーチスト~フルートの音色に酔う「ジェスロ・タル」の歴史Vol.1
-Budapest (Jethro Tull)
英国音楽マニアの中では高い人気を誇るジェスロ・タルというバンドがあります。初期のブルーズ路線から、英国の哀愁に目覚め、徐々にプログレッシブロック化。時代の流行に左右された部分もありつつも、90年代にも傑作を発表し、2000年代には来日もしているという息の長いバンドです。
今回はこのバンドのことをご紹介してみます。
Play Minstrel Play
リッチー・ブラックモアが結成したブラックモアズ・ナイトというグループがあります。ディープパープルやレインボーでの活躍でハードロックギタリストの雄としてのポジションを確立したリッチー・ブラックモアが突如結成したこのグループは、中世の楽器などを使用して中世風の音楽を奏でるというもの。
ハードロックの擬人化のように彼を捉えていた方々からは不満の声もあったようです。僕はかなりの後追いなので、リッチー・ブラックモア自体にさほどのカリスマ性を感じていなかったこともあり、普通にグループ結成のニュースを聞いていた記憶があります。
そして満を持して発売されたファーストアルバム。これが素晴らしかった。ともすれば単調で、バラエティの無い音楽に聞こえるトラッドを上手く料理しており、どの楽曲も魅力にあふれていました。中でも「Play Minstrel Play」は格別でした。
曲の後半。アコースティックギターとフルートが掛け合いをするパートがあります。このパートの展開がスリリングで、聞いているだけで気持ちが高揚するような感覚を覚えたものです。
リッチー・ブラックモアもMinstrel(楽聖)だが、このフルート奏者もMinstrelでした。
Play Minstrel Play
そして、思ったのです。だれがこの素晴らしいフルートを弾いているんだろうと。
奏者の名前はイアン・アンダーソン。
英国の代表的なロックバンド「ジェスロ・タル」のリーダーでした。
こんな風に、このバンドにもかなりの後追いでたどり着きました。結果、アルバムをすべて揃え、LPも集めるほどのファンになりました。
今回は、リッチーブラックモアとは違う、別のMinstrel(楽聖)イアン・アンダーソン率いる、このバンドの歴史をたどってみたいと思います。
「ジェスロ・タル」、初期は地味
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