社会人大学院で学んだ技術――読書メモのすすめ
私は、昨年から文系社会人大学院に通っています。
今日は、私が社会人大学院に入ってよかったこと考えていることの一つを、皆様にご紹介したいと思います。
社会人大学院に入ってよかったことは、読書メモを取れるようになったこと
社会人大学院に入って良かったことはいろいろあるのですが、その一つに読書メモを取れるようになったというのがあります。
私は本を読むことはわりと好きで、これまでいろいろな本を読んできました。でも、読書メモをとったことはほとんどありませんでした。
資格試験のために本を読むのであれば、教科書の要点を問題集を使って覚えれば足ります。わざわざ読書メモを作るのは手間ばかりかかって、効率が良くありません。
また、私はブログなどもこれまでほとんど書いたことがありませんでしたから、何かをアウトプットをするために読んだ本のメモをとるということも、特にやってきませんでした。
なぜ読書メモが重要か?――修士論文作成のための読書メモ
ところが、大学院では修士論文を書かなければなりません。私が通っている大学院では、2年目の冬までにA4で約30枚の分量を書き上げます。
修士論文を書いたことがある方ならお分かりだと思うのですが、30枚といったまとまった分量を書こうと思うと、自分の記憶だけに頼って書くのは到底不可能です。
修士論文を書くにあたって読まなければならない論文も、相当な数(100本以上?)になります。ですから、自分が読んだ論文やその論文を読んで考えたことなどについて、メモという形でまとめておかないと、いざ論文を書こうと思っても、何をどう書いたら良いかさっぱりわからないということが生じかねません。
なので、修士論文を書くときには、文献を読んだときに、その都度、重要な箇所を抜き出してノートなど(もちろん、今はパソコンを使う方が多いと思いますが)に書き写し、その箇所に対するコメントを書いておくことが、とても重要なのです。
まだ、私は修士論文を書き上げてないので偉そうなことは言えないのですが、おそらくこのメモをどれだけ書き溜めておけるかで、しっかりとした修士論文を書けるかどうかが決まる気がします。
読書メモの実践法――読書メモの実践法を教えてくれたのは同級生だった
論文の書き抜きやそれに対するメモが有効なことは、論文の書き方の本を読むと、どの本にもだいたい書いてあります。
なので、頭ではわかったつもりなのですが、いざメモを書こうと思うとどうやって良いかわからない。だいたい、他の人が作成したメモの例なんてそんなに公開されていませんからね。
そんなときに実践的な書き抜きの方法を教えてもらったのは、同じ社会人大学院の同級生の女性でした。
私の通っている大学院では各授業ごとに教授と学生が自由に書き込める掲示板のようなものがあります(今の大学生は当たり前なんですかね?20年前はなかったのですが‥‥)。
彼女は毎週ゼミが終わると、発表に関連する文献を掲示板を通じて教えてくれました。その際、単に参考文献を教えてくれるだけではなく、彼女が重要だと思った箇所を論文から引用した上で、なぜ彼女が重要だと思ったのかをコメント付きで教えてくれたんです。
このときに気がついたのは、
① 彼女は重要な箇所をそのまま書き写して引用している。
② 単に引用するだけではなく、なぜこの部分が重要なのかについて、自分なりの考えを書いている。
という点です。
この二つどこかで見覚えがありますね?
そうです。この二つの点は、冒頭でご紹介した佐藤優さんの言葉と全く一緒です。彼女が佐藤優さんの本を読んでいたのかどうかはわかりませんが、彼女は佐藤さんが示している本の読み方の例を、自ら実践して私に教えてくれたのです。
ということで、彼女にこの方法を教えてもらってからは、WordやEvernoteを使って、せっせと修士論文執筆のためのメモづくりに励んでいます。
読書メモをどう役立てるか?――自分なりの読書記録を作る
繰り返しになりますが、修士論文作成のためには、読書メモが大変重要な役割を果たすことになります。
でも、修士論文の作成なんて人生で一回あるかないかですし、研究職の方でもない限り、論文の作成方法が直接仕事に役立つわけでもありません(会社の上司に修士論文をそのまま出したら、「それで、君は何が言いたいの?」といわれますよね)。
ですが、せっかく社会人大学院に来たからには、そこで身に着けた技術を普段の生活にも役立てたいところ。
そこで、ご紹介するのが、自分なりの読書メモをつくるということです。
手順はこうです。
本を読んで、自分が新たに気づきを得たと思った箇所に線を引く。
線を引いた箇所を、まとめてノートやEvernoteなどに抜き出す。
抜き出した箇所の下に、自分なりの気づきや感想を書き留める。
こうすると、自分が読んだ箇所の記録にもなりますし、何より読んだ本の内容が自分の中にしっかり留まってくるのがわかります。
もちろん、全てを覚えていられるわけではなく、後で読み返した時に、
「こんなこと書いたっけ?」
と思うことも少なくはないのですが、読み返してみると、
「自分、意外といいこと言っているんじゃない?」
と思うこともあって、結構役立ちます。
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というわけで、本日は、社会人大学院で得た読書の技術を、生活の中にも生かしていこうというお話でした。
社会人大学院で学んだことなどは、またどこかで改めてお話ができればと思います。