#15 Yesterdayを歌って
Beatlesが好きだ。
先日、ポール・マッカートニーさんが撮ったモノクロ写真を見に行いった。
家族とも言える、仲間やライブの合間をはじめ、街の風景も多く、群衆や、見知らぬ清掃員を写真に収めている。
その写真はピントがあった写真ばかりではなかった。
館内は、休日だというのに静けさを帯びていた。
Beatlesの音楽は流れていない。
お昼時を超えて、少し来展客が増えていった。
それでも私のような二十代は数えるほども居ない。
思い出を脳裏から呼び覚ましているあの人たちを、少し羨ましく、横目で見ていた。
イヤホンを手に取って、プレイリストからBeatlesを選ぶ。
一番初めは「let it be」だった。
目が眩むような思いで、彼らの歴史をなぞる。
ジョンレノンを撮る写真が目についた。
こんなに素敵な顔をした彼らが解散して、その先に待つ悲劇までも想像してしまう私を、
そんなことよりも、彼らは彼らで素晴らしい時間だったんだ!、お前が悲しいのなんて知らなぇ!と語りかけているように思えた。
再び、Beatlesに出会えたことを、この上なく幸せに思う。
次の曲は「A Hard Day’s Night」だった。