ミドルリーダー🚩|タスク関連習熟度
こんにちは。
本日の話題は、ミドルマネジャーがチームの実力を最大限に発揮するためのフレームワークのお話です。
インテルの元CEOであり、名経営者として知られる アンドリュー・グローブの著書「HIGH OUTPUT MANAGEMENT」(小林薫 訳)からの引用と考察になります。
中間管理職が部下をマネジメントする時に直面するのが、様々な職歴、レベルの部下をどのように動かすか、ということです。
TRM(Task Relevant Maturity タスク関連習熟度)
同書では、部下のタスク関連習熟度(以下、TRM)をまず見極めることが重要としています。
このTRMは、人とタスクの相対的な関係なので、両方のファクターに依存します。
その人の専門性やその業務の経験値、仕事の大局が掴めているか、などが大きく影響します。
また一方、同じ部下でも環境によって大きく異なる場合があります。異動により職種が変わる、新しい仕事に取り組むときなどジョブの転換期、仕事における緊急事態と平時でも異なります。
TRMとマネジャーの関与
では、習熟度の違う部下に対して、どのような接し方ができるのでしょうか。
大きく3つのレベルに分類すると、習熟度の低い順に、以下となります。
✅明確に構造化されたタスク志向
✅個人志向
✅最小限の関与
✅明確に構造化されたタスク志向 ・・・ タスクの「何を、いつ、どうする」を指示する、いわゆるマイクロマネジメントになります。新人や、異動者など習熟度が低い部下への接し方です。
✅個人志向 ・・・ ある程度仕事に習熟した人と、進捗や課題共有を双方向にコミュニケーションをとる進め方です。
✅最小限の関与 ・・・ これは委任、権限委譲の段階です。できるだけマネジャーは口出しをせず、目標設定と、モニタリングを行うに留めます。
これらは、その人の職務経歴の長さに応じて考慮されることが多いのですが、一方、先に述べた通り同じ人でも環境によって、TRMは変動することを忘れはいけません。
考えてみれば、これはあらゆるマネジメント課題の根本的な課題です。これまでのマネジャー経験、今直面している問題、その対処方法は、総括するとここに書いてあるような内容にまとめられそうです。
さて、この3つを眺めてみてどう思われたでしょうか。自分のスタイルに合っているものもあれば、苦手と感じるものもあったかもしれません。
マネジャーのパーソナリティ
マネジャーも人間ですので、そのパーソナリティによって得意不得意があります。ですが、そのパーソナリティにのみ依存していると、仕事のアウトプットにムラが生じる危険があります。
特に環境変化の影響を受ける職種では、平常時と臨戦体制ではそのスタイルをガラッと変えなければならない、というケースもよくあることです。
この3つの基本マネジメントスタイルは後天的に身につけることは可能です。ぜひ3つのパターンを覚えて「あ、今はこのスタイルで接するべきだ」と認識して、意識的に行動することをお勧めします。
徐々に染み込んできて、無意識に行動できるようになるでしょう。
おまけ
そうはいっても部下一人一人に、刻々と変わるシチュエーションで常に意識するというのは、物理的に限界がありそうです。
TRMの中位〜上位の部下を数名育て、彼らがTRM中位〜下位のメンバーをコントロールする、という階層でマネジメントすると、高低差がある程度絞られるため、経験上うまくいく気がしています。