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クリエイティブと酔っ払いの狭間で


数年前。
私は友人とある展示を見に行った。
そしてその後、あるバーに立ち寄るまでは、その日の私はかなり満ち足りていた。


展示を見てそのアウトプットを浴びたときの衝撃。
体験者、すなわち見る人への明確なメッセージと計算された演出。
配置作りから仕組まれている陶酔への動線。


外に出る、何かを見る、どこかに行く、そんな今まで当たり前に行ってきたことを色々と抑制されてきた最近。
私はあの時の痺れるような感覚を蘇らせては、心の充電をしている。

ただ、あの日はそれだけでは終わらなかった。
その後巻き起こったことにも、私はしばし考えさせられる。


足取りは軽い。
友人とゆっくり展示を堪能した後、何かさらりと体に入るものを食べたいと思った私達は蕎麦屋に向かった。

蕎麦焼酎に鴨の生ハム、そしてせいろを一枚ずつ頼んだ。
程よい高揚感と満腹までいかなくらいの余力を残した充足感。
このまま銭湯でも行けば、そのまま溶けて寝てしまうのではないかというくらいのぷかぷかと気持ちの良い帰り道。

偶然、共通の友人から久しぶりに連絡があり、もう1杯くらいならと3人で会うことになった私達。
我々が待ち合わせて寄った行きつけのバーは、それまでの流れを粉砕した。

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