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最初の挑戦者になろう
こんにちは。Hinaです。
今日の昼食はなんでしたか?
その中に野菜や穀物はありましたか?
その野菜たちを育てるために、農家さんたちがどれだけ工夫を凝らしているのか考えたことはありますか?
今日は、農家が主役のこんな本を紹介します。
○農家のことを考えよう
住んでいる土地柄もあり、私は日常的に畑を目にします。
3キロの通勤途中にには、野菜の無人販売が何箇所もあります。
それくらい農家との距離が近いところに住んでいます。
しかしだからと言って、農家について考えたことはありません。
農家がいて、野菜ができて、それを買って食べるだけ。
そこにどんな工夫があるのかなんて考えたこともありませんでした。
ですがよく考えてみれば、自然を相手にする壮大な仕事です。
創意工夫を凝らした挑戦と失敗の数は、他のどの仕事よりも多いのかもしれません。
知らない世界に触れてみたくて、この本を手に取りました。
○「みんなが」やっている
この本は「道法さん」というミカン農家のおじさまがいかにして農業界に変革をもたらしたのか、取材形式で書かれています。
農家の本?興味ないな・・・
そう思わず、ぜひ読んでみてください。
この「道法さん」というおじさまのチャレンジ精神に圧倒されると思います。
道法さんは、従来の農業のやり方に一つずつメスを入れていきます。
具体的な農法は専門的な用語が並ぶので省略しますが、簡単にいうと道法さんはいつも
従来の方法の反対を提唱していました。
今まで切っていた枝を切らずに放っておいたり、縛っていたのをそのままにしてみたり
今までのやり方の反対のやり方を、躊躇なく実践していました。
農協の指導員である道法さんが、農協が提唱するやり方の反対の方法で農業をする。
それだけで、とてもリスクが大きい挑戦です。
周りからの反対や冷たい視線なんて気にせずに、自分が信じる根拠ある方法を実践したところ大成功。
この時道法さんは周囲の農家に対して、
「なんで今までこのやり方でやり続けたのか?」と聞きます。
すると、理由を答えられる人がいないのです。
みんながやっているから、今までそうだったから。
それだけの理由で今まで何年も効率の悪い方法で育てていた。
道法さんは、今のやり方を疑うことの大切さを説いています。
私たちの身近なところにも、意外と根拠のないデータを元にずっと慣習になっていたルールもあるかもしれません。
ずっとこのやり方でやってきたけど、理由はなんだろう?と問いを投げかけながら生きてみてください。
○「あいつの言うことは聞かなくて良い」のメカニズム
もう一つ印象に残った部分があります。
みなさんは「部下が言ったことをやってくれない」または「上司が的外れな指示ばかり出してくる」と思うことはありませんか?
道法さんの上司、つまり農協の方々は現場を見ずに細かいルールを出していました。
すると現場の状況と指示の内容に齟齬が生じます。
そのうち現場は「管理職の言うことは当てにならないから、真面目に聞き入れなくていい」という暗黙のルールを持つようになったそうです。
しかし面と向かって反発するわけにもいかない。
そこで現場の農家さんは、指示を「聞き入れたことにした」のです。
指示に対してYesと言いつつ、実際には取り組まない。
そうすることで上司が「部下が言ったことをやらない」という状況になるのです。
さらに、形だけは指示を聞き入れたことにしていたため、指示を出した上司は自分の指示出しにおける課題や間違いに気づく機会も失いました。
上司の「部下が言うことを聞かない」の後ろには、部下の「あいつの言うことは聞かなくて良い」が隠れているのかもしれません。
○最後まで観察者で終わるのか
本の後半では、道法さんのやり方で農業を営んだ農家さんたちの実践について語られています。
主に長野のリンゴ農家の方々が語り手となり、工夫を凝らした実践が語られました。
どの農家さんも共通して経験していたのは、
まだ世の中に浸透していない方法に挑戦することへの不安
Aという実践が必ずBという結果になるわけではない
という、挑戦者ならではの苦悩と葛藤でした。
あるリンゴ農家は、無農薬りんご栽培という
地域の中に知れ渡っていない新情報
を元に挑戦しようとしていました。
しかし、誰もうまくいくと信じてくれない。
挑戦をしてもすぐに結果が出るわけでもなく、やがて地域の農家の中でも孤立する。
そんな不安の中成功事例を作り出し、その地域では第一人者になりました。
そしてその方はこう語ります。
他農家のやり方を真似てもうまくいかないことがあった。それは偶然や奇跡なのだと思う。
つまり、同じやり方をしたら必ずうまくいくわけではないということです。
真似事をしたところでうまくいかない。
そこには自分の目の前の事象に向き合った結果その方法に辿り着いたというプロセスや、本当の偶然や奇跡が影響しているのです。
また別のリンゴ農家の方が語った、インドでの経験話が印象的だったので、最後に紹介させてください。
インドに渡ったその方は、滞在先で様々な社会運動の実践家の話を聞きました。
滞在期間を終えて帰国しようとしたら、こう言われたそうです。
「君は私の話を聞いた。最後まで観察者で終わるのかい?」
その方はその言葉を胸に、今でも挑戦を続けています。
何かを知り得た時、思いついた時、観察者のままで終わっていませんか?
聞いたことをすぐに実行する行動力はありますか?
道法さんの言う「今までのやり方を疑う」力。
リンゴ農家さんが向き合った「新しい実践」をする勇気。
やってみたいことがあるのなら、最初の実践者になりましょう。
農業のことを学ぶつもりが、こんな人生訓を感じ取ることができました。
では、また🌻
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