おしゃべり。
私は、とてもよくしゃべる子供だった。
まだ話し始めの小さい頃、あんまりしゃべってうるさいので、
祖母が私の口に氷をいれたら、
「こーりこーりこーり」と言い始めたと言って、よく笑われた。
幼稚園から帰ってきても、
小学校から帰ってきても、
中学校から帰ってきても、
「今日は○○ちゃんが△△でね、」と
母は学校の様子がいつも手にとるようにわかったと言っていた。
高校時代は、あまり話さなかったが、
それでも、家にいる間はずっとリビングにいる子供だった。
大学で一人暮らしをしたけれど、
大学でも、やっぱりおしゃべりだった。
30を過ぎて結婚をして、
やはり家では、夫に会社のことをよくしゃべっていた。
共働きだった頃のある日、仕事で落ち込んでいた私は、
口数が少なくならざるを得ない日があった。
晩ご飯を食べながら、夫に申し訳なくなり、疲れ果てた雰囲気で、聞いた。
「私が今日何があったのか、知らなくても平気なの?」
「私が今、話さなくても、平気なの?」
無口な夫が噴出して笑った。
意味はよくわからなかったけど、
しゃべらなくても、いいのかも?と少しだけ思った瞬間だった。
そんなことを言いながら、今日もペラペラ、私しゃべってるんだけどね。