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「育て急ぐ」という言葉があります。

「育て急ぐ」という言葉があるようです。
子育てに関わる人たちの中で問題になっています。

出来るようになってほしいという気持ちが一方的になってしまい、能力以上の学習時間を増やしたり、子どもたちの気持ちが置いてけぼりになってしまう状態を意味します。

「○○した?」「まだ○○してないの?」「○○しなさい」など、関わる側の欲求のみの言葉になってしまい無意識に「指示的」で「否定的」になってしまいます。
それはもちろん子どもたちの自己肯定感を傷つけてしまいます。

格差社会によって、将来への不安を抱くことから「困らないように」「教えよう教えよう」と頑張ってしまう家庭が多いようです。
デイの保護者会でもそのような話題がよく出ます。他の家庭の目が気になる。親(祖父母)の存在を感じてつい注意してしまう、など。

実際、子どもって教えたことには意外と応じないものですよね。(笑)
特に思春期はそうです。
小さい子は真似しないで!というものは真似したりする。
そんなところまで見てるの~と思わされると思います。言葉の使い方もそうです。

保育園や放デイでは保護者が大切にしていることは子どもたちがちゃんと受け継いでいると感じます。
それはきっと言葉で教えてもらったことじゃないと思います。

整理整頓をしっかり行う子は、ご家庭で用意した着替え袋がきちんと綺麗になっています。
年下の子を可愛がる子は、見学や面談の時に子どもたちに声をかけてくれる親御さんです。
散歩中にあいさつをする子は、いつも家族が元気に挨拶してくれたり、お迎え時にインターホン越しでも戸をあけても気持ちよく応じてくれるご家庭です。

ご家庭で大切にしていることは、子どもたちも頭や言葉じゃなくても理解しているはずです。

どうしても他人の目が気になって、育児を伸び伸びできない環境になりやすいので、このようなお話をしてあげると保護者を肯定することにもつながります。
家では何にもやらない!と怒られる子も、外では頑張っている子が大半です。外で頑張っている様子を伝え、家で甘えてしまうのは母性がきちんと家庭にある証拠だと肯定できるのです。

保護者の自己肯定感が高いとADHDの衝動性・多動性が軽減されるというデータも過去にありました。
支援者としても、保護者を育て急ぐことがないように気をつけていかなければなりません。見守りとアドバイスと労いのバランスを上手に保つことが結果として子どものためになります。

お掃除係の実習を体験した保育士さん、きちんとした指導・教育を受けられずも頑張る支援者さん…など現場に困り感を持っている方へサポートすることで、子どもたちに還元されるものがあるのではと信じています。よろしくお願いします。