コーピングリストが制限された、真夜中の時間に。
冬の足音が近づくと、私の心は
少しずつ暗闇へと引き込まれていく。
日が暮れるのが早まり
窓の外が薄暗くなる頃には
どこか落ち着かない気持ちになる。
夕方の4時半なのに
外はもう真っ暗に近くて
闇の迫るスピードの速さに
怖くなってしまう。
誰かに急かされるように
一日が終わっていく。
冬の夜は、途方もなく長いトンネル。
朝6時ごろまで明けることがない12時間。
通勤と仕事の時間を合わせて
12時間を超えるとしんどく感じるような。
24時間を朝と昼と夜で
シフトを3等分してほしい。
夜さん働きすぎです。
でも怖い夜も
好きな夜もある。
夜空が透き通っていて星が瞬く夜。
息を吐くと白い息が立ち込めて
生きていると感じられる冬の夜は好き。
秋のノスタルジーを
感じるような切ない夜も好き。
でも、長い雨がこもる湿度の高い
まとわりつく夜は不安を募らせる。
「千と千尋の神隠し」の
冒頭シーンを思い出す。
最初は、だれもいない静かな町。
異国の観光地を貸し切りにしたみたいで。
でも、夜が深まるにつれて
雰囲気は一変する。
両親が豚の姿に変わり
実体を追い求めるように彷徨う
人影みたいな異形がたくさん歩いていて
どこか入っちゃいけない場所に
迷い込んだように心細くて
途方に暮れる千尋。
秋と冬の臆病になる夜は
千尋に心を重ねる。
夕方の暗さに気づいた時と
夜中にふと目が覚めた時。
ほんのわずかだけど
私は心のバランスを崩してしまう。
迷子になった千尋のように
どこに向かえばいいのかわからなくなる。
でもほんのわずかだから
私はすぐに心のバランスを取り戻す。
夜が明けますようにと願う。
カフェが閉まっていて
甘いものを食べるのも躊躇する
コーピングリストが制限された
真夜中の時間に願う。
傷ついて不安を抱えた人が
安心を抱えて優しい夢を
見られますように。
お布団があったかい。
今日は晴れた!
最後までお読みいただき
ありがとうございます。
みなさんの朝と昼と夜が
素晴らしいものでありますように。
コーピングリストは、自分だけの
「ストレス対処法」をリスト化したものです。
千と千尋に登場する、奇想天外な神様も
見なれると愛らしく感じます。
夏目友人帳の妖怪のように
それぞれの背景がある。
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