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読む楽しみをリカバリーするように。図書館から喫茶店、そして公園へ。

久しぶりに青山美智子さんの
本を読みました。

『お探し物は図書館まで』
『木曜日にココアを』

続いて手に取ったのは
最新作『リカバリー・カバヒコ』です。

選んだときは特に意識していなかったけど
ベストセラー、デビュー作、最新作の
順番になりました。

同じ著者さんの本を読むとき
ベストセラーから読むのか
第一作目から順番に
書いた軌跡をたどっていくのか
それとも興味が赴くままに読んでいくのか

いろんなルートの読み方がありますよね。

私はメンタルを崩してから
小説を読めなくなりました。

何が書いてあるのか分からなくて
絶望しました。

でもnoterさんの記事をきっかけに
再び小説を手に取って、少しずつですが
読めるようになりました。

それでも私は読むスピードが遅くて
登場人物も3人以上になると
覚えられなくなります。

登場人物の名前と関係を忘れないように
メモをとりながら読むことも多くて
多くの作品を読むことができません。

青山美智子さんの小説は
今まで読んだ本はどれも3人以上の
登場人物が出てくる作品ばかりです。

それでも手に取ってしまう魅力があります。

1冊目、2冊目はそれぞれ図書館と喫茶店を
舞台にしたショートストーリー集でした。

短編のそれぞれの登場人物が
別のお話にも登場して繋がっています。

今回も、もしかしたら…

5階建ての新築分譲マンション、
アドヴァンス・ヒル。

近くの日の出公園には古くから設置されているカバのアニマルライドがあり、自分の治したい部分と同じ部分を触ると回復するという都市伝説がある。
人呼んで”リカバリー・カバヒコ”。

Amazonの紹介文より

そう、きっと手に取ってしまうのは
文章のスタイルとジャンルが
共通しているからですね。

初めて読むのに、慣れ親しんだ
懐かしい気持ちになります。

作家さんによっては本ごとに
ジャンルや文体が全然違うこともあります。

でも青山美智子さんの本は共通していて
私には読みやすいのです。

年齢も、性別も、職業も違う
人生を歩んでいる日常の人々。

私と同じように不器用で
心の弱さや悩みを抱えていて

それぞれのライフステージに重ねて
共感することが多いです。

そして、本のどこかに
必要な一行に出会えます。
それが寄り添うように優しくて。

だれもが主人公で
だれもが登場人物。

noteでショートショートを
書くようになってからいろんな場面に
目が向くようになりました。

私はショートショートは書いたけれど
小説は書いたことがありません。

読んだ小説の数が少ないのもありますが
その一つの理由が情景描写とか書くのに
慣れていないからです。

でも『リカバリー・カバヒコ』を読むと
描写の流れがよくわかります。

例えば

学校がおわると公園に直行した
先客がいたのでびっくりした

制服姿の女の子が勢いよく
ブランコをこいでいる

白いブラウスの胸元にゆれる
水色のリボンを見て
僕と同じ高校だと気づいた

遠くを見つめながら
ほほを紅潮させ
わずかにほほえんでいるような表情

同じクラスの雫田さん

『リカバリー・カバヒコ』の1話より

カメラにたとえると
公園の入り口からのシーン。

ブランコ全体が映るシーン

女の子の上半身が映るシーン

女の子の表情が映るシーン。

の流れで描写されています。

そうか!ドラマのカメラみたいに
描写するといいんだ。

小説を読みなれていると
常識的なことかもしれません。

でも私には新鮮なことでした。

一行どころか溢れるくらいの
涙と言葉に出会えました。

読む楽しみをリカバリーするように。

最後までお読みいただき
ありがとうございます。

あなたの本との時間が
素晴らしいものでありますように。

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ひいろ
最後まで読んで頂いて、本当にありがとうございます! 少しでも、あなたの心に残ったのなら嬉しいです。