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2022年8月の記事一覧

生きる詩

生きる詩

切れたフィラメントみたいな身体が
動かないと言うのなら
電源切って死んでみせろ

一つまた一つと明かりが消えいく
さよならだけが人生か
暗くなるだけの明日か
鳴りやまない残響を透かせ

心の嘔吐物を起爆して
一瞬でも輝いたなら
何か思い出すはずだ!

蝕まれていく烈日が
道を照らさないなら
僕らはただ彷徨うだけ

生きる意味を問い続けた
あの日の少年
戸惑い、苦痛、失望
今なら意味が付けられるだろ

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晩夏、線香花火

晩夏、線香花火

僕の庭に線香花火が咲いた

小さな火の玉は静かに

ほのか明るく辺りを照らす

懐かしい感覚に記憶が引き出されれば

火花は激しく走りだす

山吹色に輝く小さな晩夏の化身

宵の闇夜に咲き誇る

やがて花弁は散り続け

蛍火のようなそれは

静寂を呼ぶ

一夏の終わりを感じる

やがて小さな夏は落ちる

儚く散り綺麗だった

夜は暗くまだ少しだけ暑い