夜に目を閉じて、瞼の裏に見える景色がある。 海街のどこかの石階段、少し錆びた手すりがある。 そこに誰かが上がってくるような気配がして、僕はそれを眺めている。 きっと登ってくるのは2人で、強い日差しに肌を焼きながら、何も喋らずに登ってくるのだ。 どこかに存在していて欲しい景色。