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獣医師・愛玩動物看護士・トリマー・獣医学生限定 動物の皮ふ科の勉強コミュニティ 動物の皮ふ科に関する文献の紹介および解説を随時発信していきます!

記事一覧

猫にアポキル(オクラシチニブ)って使えるの?安全性は?

DOI:10.1186/s12917-019-1893-x オクラシチニブ(アポキル)オクラシチニブはヤヌスキナーゼ(JAK)1酵素阻害剤で、IL-2,IL-4,IL-6,IL-13,IL-31などのJAK1依存性サイトカ…

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アポキル投与時、猫は犬と同じ投与量でいいの?

DOI: 10.1111/vde.12819 猫🐈へのオクラシチニブ投与に関する論文シリーズの第1回です️。 今回は、健常猫におけるオクラシチニブ単回静脈内投与および経口投与の薬物動態…

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2週間前

猫の皮膚扁平上皮癌にはカルボプラチンを使った電気化学療法が効く?

今回は、猫の皮膚扁平上皮癌で電気化学療法にカルボプラチンを用いた際の有効性をブレオマイシンと比較した研究についての論文を紹介します。2024年に発行されたものです。…

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2週間前

文献紹介&ポイント解説 自壊した悪性腫瘍に、モーズペーストが有効な緩和治療に⁉️

悪性腫瘍が自壊し、患者とそのご家族のQOLが低下しているケース。 様々な理由で手術ができない場合、獣医師にできることは何もないのでしょうか? モーズペーストを用いた…

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1か月前
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【食物アレルギー】シリーズ9:食物負荷試験で症状が出るのは意外と遅い❗️

Olivry and Mueller BMC Veterinary Research (2020) 16:158 今回は、『犬や猫の食物負荷試験後に症状が出るまでの時間』についてまとめた報告の紹介です。

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1か月前

【食物アレルギー】シリーズ8:3週間放置したフードから貯蔵ダニが検出!?

Olivry et al. BMC Veterinary Research (2019) 15:385 アレルギーと聞くと、フードの種類について考えることは多いかもしれませんが、フードの保管期間や方法について考…

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1か月前

【食物アレルギー】シリーズ7:食物有害反応は若齢発症❓ほんとに痒い❓

Olivry and Mueller BMC Veterinary Research (2019) 15:140 今回は、『犬や猫の食物有害反応(AFR)におけるシグナルメントと皮膚症状』についてまとめた報告の紹介です。 …

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1か月前
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アポキルは腫瘍の発生率をあげる❓

今日は、アポキルと腫瘍の発生率についての報告をご紹介します💡 DOI: 10.2460/javma.257.5.507 2020年に、アポキルを長期投与した郡と投与していない郡を比較した後ろ向…

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1か月前
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【食物アレルギー】シリーズ5:フードのラベルにない食材の混入、気にしていますか?

BMC Veterinary Research (2018) 14:24 犬や猫の皮膚性食物有害反応(CAFR)の診断には、現在、食事制限(除去食試験)-誘発試験(負荷試験)が行われています。除去食試…

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2か月前
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【食物アレルギー】シリーズ4:アレルギー検査って実際どうなの?

Mueller and Olivry BMC Veterinary Research (2017) 13:275 「アレルギー検査」と一口に言っても、いろいろな検査がありますよね。 今回は、『犬や猫の食物有害反応(AFR)…

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2か月前
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【食物アレルギー】シリーズ3:かゆい犬と猫で皮膚食物有害反応の有病率はどのくらい?

Olivry and Mueller BMC Veterinary Research (2017) 13:51 かゆみや赤みといえば皮膚病の主訴の中でかなりの割合をしめるかと思いますが、そのような症状のある犬や猫の…

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2か月前
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【食物アレルギー】シリーズ2:犬と猫で皮膚食物有害反応を起こしやすい食材とは?

Mueller et al. BMC Veterinary Research (2016) 12:9 食物アレルギー論文シリーズ第2回 今回は、『犬や猫で、皮膚食物有害反応(CAFR)を誘発する食物アレルゲンは何か?…

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2か月前

必須脂肪酸でアポキルも減薬できる⁉️

DOI:10.1111/vde.13246 イヌのアトピー性皮膚炎において、主に治療に使用されるステロイドやシクロスポリンが必須脂肪酸の併用により減薬できることが報告されてきました…

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2か月前

アロペシアXの治療にマイクロニードルが有効⁉

みなさん、アロペシアXの治療で悩まれることはありませんか❓現在、様々な治療法が報告されていますが、いずれの治療法も効果は限定的なものです😂 今回ご紹介するのは、ア…

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2か月前

【食物アレルギー】シリーズ1:食物アレルギーの診断・除去食試験の最適な期間とは?

DOI 10.1186/s12917-015-0541-3 食物アレルギー論文シリーズ第1回 今回は、診断における適切な除去食試験🍚の期間を検討した報告です。 背景犬や猫の皮膚性食物有害反応(…

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2か月前

【無料公開中】毛刈り後脱毛症に新たな治療法⁉多血小板血漿の塗布とマイクロニードル処置❗

Jacquelyn C. et al. Vet Dermatol (2020)31:214-e45 毛刈り後脱毛症は、毛刈り後に長期にわたり発毛が認められない疾患です🥲ヒトでは円形脱毛症などの治療として、再生…

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2か月前

猫にアポキル(オクラシチニブ)って使えるの?安全性は?

DOI:10.1186/s12917-019-1893-x オクラシチニブ(アポキル)オクラシチニブはヤヌスキナーゼ(JAK)1酵素阻害剤で、IL-2,IL-4,IL-6,IL-13,IL-31などのJAK1依存性サイトカインを阻害することにより、犬ではアトピー性皮膚炎での搔痒の治療に近年広く使用されるようになってきました。犬では忍容性が高いものの、副作用として嘔吐や下痢が一部で認められることが報告されています。 IL-31を用いた猫の掻痒モデルを用いた研究では、オクラシチ

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アポキル投与時、猫は犬と同じ投与量でいいの?

DOI: 10.1111/vde.12819 猫🐈へのオクラシチニブ投与に関する論文シリーズの第1回です️。 今回は、健常猫におけるオクラシチニブ単回静脈内投与および経口投与の薬物動態について、2020年の論文をご紹介します。 オクラシチニブ(アポキル)とは

¥300

猫の皮膚扁平上皮癌にはカルボプラチンを使った電気化学療法が効く?

今回は、猫の皮膚扁平上皮癌で電気化学療法にカルボプラチンを用いた際の有効性をブレオマイシンと比較した研究についての論文を紹介します。2024年に発行されたものです。 外科適応でない猫の皮膚扁平上皮癌では、化学療法が選択され、局所での薬剤浸透率を上げるために電気化学療法が併用されることがあります。既存の報告ではブレオマイシンを用いた電気化学療法が有効であり、最大95%の奏効率が認められていますが、その他の化学療法剤に関しては、研究報告がありません。 本論文ではカルボプラチン

¥500

文献紹介&ポイント解説 自壊した悪性腫瘍に、モーズペーストが有効な緩和治療に⁉️

悪性腫瘍が自壊し、患者とそのご家族のQOLが低下しているケース。 様々な理由で手術ができない場合、獣医師にできることは何もないのでしょうか? モーズペーストを用いた緩和療法(MPT)は自壊した腫瘍に亜鉛を含んだペーストを1時間塗布し、壊死組織を固定することで止血や殺菌効果が期待できる悪性腫瘍に対する緩和療法の1つです。 Mohsが開発した材料は国内では手に入りにくいため、日本では一般的に、日本で手に入る試薬で作成した改良型Mohs(モーズ)ペーストが用いられています。 ヒ

¥700

【食物アレルギー】シリーズ9:食物負荷試験で症状が出るのは意外と遅い❗️

Olivry and Mueller BMC Veterinary Research (2020) 16:158 今回は、『犬や猫の食物負荷試験後に症状が出るまでの時間』についてまとめた報告の紹介です。

¥300

【食物アレルギー】シリーズ8:3週間放置したフードから貯蔵ダニが検出!?

Olivry et al. BMC Veterinary Research (2019) 15:385 アレルギーと聞くと、フードの種類について考えることは多いかもしれませんが、フードの保管期間や方法について考えたことはありますか? 保管方法や期間によっては、フード中に貯蔵ダニが増え、アレルゲンとなるかもしれません! 今回ご紹介するのは、ペットフードの貯蔵ダニについて 10 報の論文をまとめた 2019 年の報告です😀 貯蔵ダニとは?貯蔵ダニは、食料に侵入するダニで、犬

¥300

【食物アレルギー】シリーズ7:食物有害反応は若齢発症❓ほんとに痒い❓

Olivry and Mueller BMC Veterinary Research (2019) 15:140 今回は、『犬や猫の食物有害反応(AFR)におけるシグナルメントと皮膚症状』についてまとめた報告の紹介です。 この報告では皮膚AFR(CAFR)を発症した犬または猫のシグナルメントや臨床症状について、1980年1月〜2018年7月に報告された32報をまとめています。 ザックリまとめると…

¥300

アポキルは腫瘍の発生率をあげる❓

今日は、アポキルと腫瘍の発生率についての報告をご紹介します💡 DOI: 10.2460/javma.257.5.507 2020年に、アポキルを長期投与した郡と投与していない郡を比較した後ろ向きコホート研究が報告されました🗒️ これによると、ヒトでは、アポキルと同じJAK阻害薬を使用した症例で悪性腫瘍の発生が報告されているそうです。 アポキルではどのような結果になったのでしょうか? ザックリまとめると…

¥500

【食物アレルギー】シリーズ5:フードのラベルにない食材の混入、気にしていますか?

BMC Veterinary Research (2018) 14:24 犬や猫の皮膚性食物有害反応(CAFR)の診断には、現在、食事制限(除去食試験)-誘発試験(負荷試験)が行われています。除去食試験は、フードのラベルに記載された成分を基に、過去に食べたことのない新奇食材が入っているフードを選択して行うことが一般的です。同様に診断後も、原因となるアレルゲンを含まないフードを、ラベルを見て選択する必要があります。 しかし、市販のペットフードには、原材料の選定段階や製造過程

¥300

【食物アレルギー】シリーズ4:アレルギー検査って実際どうなの?

Mueller and Olivry BMC Veterinary Research (2017) 13:275 「アレルギー検査」と一口に言っても、いろいろな検査がありますよね。 今回は、『犬や猫の食物有害反応(AFR)をin vivoやin vitroの検査で診断することは可能か』について検討した報告の紹介です。 今回の報告では、1991〜2017年の間に、AFRが確実に診断あるいは除外された犬や猫の様々な検査結果について報告している23報の論文と1つの抄録をまとめて

¥300

【食物アレルギー】シリーズ3:かゆい犬と猫で皮膚食物有害反応の有病率はどのくらい?

Olivry and Mueller BMC Veterinary Research (2017) 13:51 かゆみや赤みといえば皮膚病の主訴の中でかなりの割合をしめるかと思いますが、そのような症状のある犬や猫のうち、皮膚食物有害反応である割合はいったいどれくらいなのでしょうか? 今回は、『掻痒症や皮膚病の犬や猫で、皮膚食物有害反応(CAFR)の有病率はどのくらいか?』について検討した記事の紹介です。 この報告は、皮膚食物有害反応の予後に関して、1990年から2015

¥300

【食物アレルギー】シリーズ2:犬と猫で皮膚食物有害反応を起こしやすい食材とは?

Mueller et al. BMC Veterinary Research (2016) 12:9 食物アレルギー論文シリーズ第2回 今回は、『犬や猫で、皮膚食物有害反応(CAFR)を誘発する食物アレルゲンは何か?』について過去の1985年から2015年に報告された、皮膚食物有害反応を誘発した食物アレルゲンを同定した研究をまとめた報告の紹介です。

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必須脂肪酸でアポキルも減薬できる⁉️

DOI:10.1111/vde.13246 イヌのアトピー性皮膚炎において、主に治療に使用されるステロイドやシクロスポリンが必須脂肪酸の併用により減薬できることが報告されてきました❗ アトピー治療の補助療法として、必須脂肪酸サプリなどを処方される先生も多いのではないでしょうか? 今回紹介する論文は、アポキル+必須脂肪酸によるアポキルの減薬効果があったのか?を検討した論文です🐕 この論文では、プラセボ群に対し、必須脂肪酸群では、どの程度アポキルが減薬できたのか?、どのように減

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アロペシアXの治療にマイクロニードルが有効⁉

みなさん、アロペシアXの治療で悩まれることはありませんか❓現在、様々な治療法が報告されていますが、いずれの治療法も効果は限定的なものです😂 今回ご紹介するのは、アロペシアXの犬2頭にマイクロニードル処置を行なったところ、発毛が認められたという2015年の症例報告です😀  本記事の最後には、マイクロニードルによる処置の特徴や処置の際のポイントなども載せてありますので、是非ご覧ください!

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【食物アレルギー】シリーズ1:食物アレルギーの診断・除去食試験の最適な期間とは?

DOI 10.1186/s12917-015-0541-3 食物アレルギー論文シリーズ第1回 今回は、診断における適切な除去食試験🍚の期間を検討した報告です。 背景犬や猫の皮膚性食物有害反応(CAFR)の診断には、現在、食事制限(除去食試験)-誘発試験(負荷試験)が行われてますが、除去食試験の期間についての報告は3週間から12週間と幅があり、診断に最適な期間に関する国際的なコンセンサスはありません。診断の感度を最も高くするために推奨される除去食試験の期間は、一体どれくらいな

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【無料公開中】毛刈り後脱毛症に新たな治療法⁉多血小板血漿の塗布とマイクロニードル処置❗

Jacquelyn C. et al. Vet Dermatol (2020)31:214-e45 毛刈り後脱毛症は、毛刈り後に長期にわたり発毛が認められない疾患です🥲ヒトでは円形脱毛症などの治療として、再生医療で用いられる多血小板血漿を脱毛部に塗布しマイクロニードル処置と同時に適用することで、マイクロニードル処置単独より早く良質な被毛が生えてきたという報告があります🤔 今回ご紹介するのは、イヌの毛刈り後脱毛症でも同じ結果にならないか?という仮説を立証するべく行われた前向き