鬼澤秀昌

弁護士、おにざわ法律事務所代表。大学時、SVP東京にてインターンを経験し、司法試験合格後、教育系NPOの常勤スタッフとして勤務。BLP-Network初代代表。教育、NPO、政策提言に特に関心があります。新公益連盟監事。Learning for All非常勤職員。

鬼澤秀昌

弁護士、おにざわ法律事務所代表。大学時、SVP東京にてインターンを経験し、司法試験合格後、教育系NPOの常勤スタッフとして勤務。BLP-Network初代代表。教育、NPO、政策提言に特に関心があります。新公益連盟監事。Learning for All非常勤職員。

マガジン

最近の記事

いじめの重大事態の調査に関するガイドラインの改訂

ついにいじめ重大事態に関するガイドラインの改訂版が公表されましたね。改訂前のガイドラインと比べてかなり細かく書かれています。 ただ、内容については重大事態ガイドラインp1~2に以下のような記載があり、何をしなければならないのか、あるいは義務ではなくした方が良いというレベルなのかは、注意して読み解く必要がありますね。 学校問題に関わる弁護士や、管理職、生徒指導主事の皆さんなどにはぜひ目を通していただきたいと思います。

    • 【書評】『〈叱る依存〉がとまらない』

      村中直人『〈叱る依存〉がとまらない』を読みました。 虐待、ハラスメント、DV等様々な事象を「叱る依存」という切り口で、脳科学の観点から解説した書籍です。 世の中で既にかなり議論されているテーマを扱っているのですが、最近のSNSでの炎上・バッシング等、より幅広い事象を脳科学の観点から扱っており、様々な問題に関わる弁護士としても、また、子どもを持つ親の立場としても非常に勉強になります。 弁護士として様々な事案に関わる中で、いじめやハラスメントは、徐々に時間の経過により悪質になっ

      • 子どもの発達科学研究所の客員研究員になりました。

        今年の8月から、子どもの発達科学研究所の客員研究員に就任しました。 実は査読付き論文も3本、書籍は主な共著で2冊書かせていただいており、研究も細々とでも続けられればと思っていたので、とても嬉しく思います。 自分としてできることを少しずつ進めていきたいと思います。

        • スクールロイヤーとは――法の視点で学校の問題解決支援

          先日、日テレNEWSにてスクールロイヤーについて取材をしていただきました。 スクールロイヤーの現状や、私自身が感じている課題等について、短く上手くまとめていただきました。

        マガジン

        • 書評
          7本
        • 教育系弁護士が見る「やけ弁」
          3本
        • アドボカシー関係
          3本

        記事

          子どもの性被害の実態報告書

          NPO法人つなっぐが調査を行い、その結果をまとめた「子どもの性被害の実態報告書」を拝見しました。 子どもの性被害の対応の難しさは色々と経験的に指摘されているところですが、これがデータの形で明らかになるのはとても重要ですね。子どもの性被害の実態を正確に理解することに大変有益です。また、特に「最初に被害を開示した場所」が「学校」が最も多いという点(報告書9頁、PDF11枚目)は学校関係者は留意する必要があると思います。 日本版司法面接ガイドラインも併せて公表されています。15頁

          子どもの性被害の実態報告書

          実は研究には結構興味があって色々な書籍を読んで学んだり、実際に論文を読んだり、学会で発表したりしています。折角なので自分の頭の整理も兼ねて、まとめて記事にしたいところです。

          実は研究には結構興味があって色々な書籍を読んで学んだり、実際に論文を読んだり、学会で発表したりしています。折角なので自分の頭の整理も兼ねて、まとめて記事にしたいところです。

          東京都教職員研修センター

          今日は、勉強のために、初めて東京都教職員研修センターの資料閲覧室に行ってきました。 https://www.kyoiku-kensyu.metro.tokyo.lg.jp/08ojt/library/index.html なかなか教育系の資料がまとまっているところは多くないので、ざっと最近の雑誌や文献に目を通し、大変勉強になりました。自分でこういう機会を作っていくことが重要ですね。 ただ、若干、学会の紀要等については少しラインナップが少ないので、論文調査を目当てでいくと

          東京都教職員研修センター

          NPOの監事にも役立ちそうな「KAM」とは

          『月刊監査役』No.754号2023年9月25日号を読んでいたら中村慎二弁護士が執筆された「KAMの歴史、現状そして展望~KAMは常に進化を続ける~」という記事を発見しました。これは結構NPOにも役立ちそうだなと思ったので共有させていただきます。 KAMとはKAMとは「Key Audit Matters」の略で、「監査上の主要な検討事項」という意味だそうです。 余り詳細はここには書きませんが、特に上場企業における会計監査について、(金融商品取引法上の)監査報告書の中で以下の

          NPOの監事にも役立ちそうな「KAM」とは

          初めての本格論文がついに公表されました

          本格論文の公表以前から、実践報告や、論点を広く指摘するような形の論文は書かせていただいていましたが、ついにこの度、先行研究をとことん分析した「研究」論文を発表することができました。 「いじめに関する法的研究の役割と今後の課題 ―学校が負う法的責任を中心に―」(第11章) これは『スクール・コンプライアンス研究の現在: 日本スクール・コンプライアンス学会創立10周年記念出版』という書籍に収録されています。 内容概要学校におけるいじめに関する法的な研究が発生した1985年か

          初めての本格論文がついに公表されました

          学校での熱中症対策

          最近ほとんど更新をしていなかったのですが、やはり情報発信は大事かなと思い始め、短くても良いからNPOや教育分野について学んだことを発信していこうかなと思います。 昨日教育新聞でこんな記事が配信されましたね。 元データはこちらです。 https://www.mext.go.jp/a_menu/kenko/anzen/20230911-ope_dev03-1.pdf 熱中症対策については、かなり対策が普及し始めたことから、以前からかなり学校が責任を負うケースが多くなってき

          学校での熱中症対策

          法人等による寄付の不当な勧誘の防止等に関する法律(案)についての意見

          本日朝、「法人等による寄付の不当な勧誘の防止等に関する法律」に関する条文案が示されました(条文はこちら)。以下の内容については、鬼澤の責任で作成しましたが、賛同者もいらっしゃり、末尾に賛同者も記載しています。 かなり取引の安定性に配慮した条文の内容になっていると考えますが、さらなる内容の明確化を求めるとともに、寄付契約の消費者契約への適用については、今後の議論とすべきと考えます。以下詳細です。 意見の詳細 クラウドファンディングのプラットフォームを通じた寄付、公益信託の委

          法人等による寄付の不当な勧誘の防止等に関する法律(案)についての意見

          ネットいじめの法的対応の国際比較の論文を発見。こういう議論を英語でしたいですね。 A Comparative Study of Legal Measure to Prevent Cyberbullying in Children - https://goo.gl/scholar/Dt5T3k

          ネットいじめの法的対応の国際比較の論文を発見。こういう議論を英語でしたいですね。 A Comparative Study of Legal Measure to Prevent Cyberbullying in Children - https://goo.gl/scholar/Dt5T3k

          「寄付規制法案(仮称)」等の慎重な議論を求める声明(弁護士有志)

          弁護士有志  代表 弁護士 鬼澤秀昌 「寄付規制法案(仮称)」等の慎重な議論を求める声明   意 見   拙速な「寄付規制法案(仮称)」等の制定に強く反対し、以下の観点から慎重に議論をすべきである。   ① 法人格の違いに応じた規制とすること ② 寄附を取消又は無効とする場合の要件は公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律(以下「認定法」という。)第17条の規定よりも厳格かつ明確にすること ③ 寄附を重要な収入源として公益的な活動をしている非営利団

          「寄付規制法案(仮称)」等の慎重な議論を求める声明(弁護士有志)

          【書評】広田照幸『学校はなぜ退屈でなぜ大切なのか 』(ちくまプリマー新書)

          教育分野に関わり始めてから初めの頃は教育論や学校論等は読んでいたのですが、かなり被る内容も多く感じたので、しばらく読んでいませんでした。しかし、広田照幸先生のご著書は「日本人のしつけは衰退したか」「現代日本の少年院教育―質的調査を通して」を読ませていただいてとても斬新だったので、たまたま以下の本を本屋で見つけて、今回も期待して購入しました。 結論から言えば、さすが広田先生のご著書、やはり今回も名著でした。、幅広く、深く、そして、分かりやすい洞察に、読み始めてから一気に読んで

          【書評】広田照幸『学校はなぜ退屈でなぜ大切なのか 』(ちくまプリマー新書)

          書籍のご紹介『教員×弁護士 対話で解決 いじめから子どもを守る』~いじめ対応を実践的に学びたい方へ~

          みなさんこんにちは。全然更新ができておりませんでした。。。 今回は、2021年5月に上梓した『教員×弁護士 対話で解決 いじめから子どもを守る』(エイデル研究所)をご紹介させていただきます。 現在感じている「いじめ問題」に関する課題 現在学校では、まだまだいじめで辛い思いをしている子どもたちがたくさんいます。そして、学校でも様々ないじめに関する研修等が実施されており、教員の方々も尽力されているところです。 しかし、教員はもちろん、普段法律に触れている弁護士であっても、い

          書籍のご紹介『教員×弁護士 対話で解決 いじめから子どもを守る』~いじめ対応を実践的に学びたい方へ~

          BLP-Networkの活動が日弁連で表彰されました

          みなさん、こんにちは。久しぶりの投稿です。 日本弁護士連合会が今年度から設置した若手チャレンジ基金制度のうち「弁護士業務における先進的な取組等に対する表彰」において、弁護士とNPO等のソーシャルセクターの方々とのマッチングを行っているBLP-Networkの活動を表彰いただきました! 今回受賞したのは、ゴールド(2名)、シルバー(4名)、ブロンズ(12名)のうち2番目の「シルバー」です。副賞も20万円をいただけます。 BLP-Networkは、2012年8月に設立して今

          BLP-Networkの活動が日弁連で表彰されました