法人等による寄付の不当な勧誘の防止等に関する法律(案)についての意見
本日朝、「法人等による寄付の不当な勧誘の防止等に関する法律」に関する条文案が示されました(条文はこちら)。以下の内容については、鬼澤の責任で作成しましたが、賛同者もいらっしゃり、末尾に賛同者も記載しています。
かなり取引の安定性に配慮した条文の内容になっていると考えますが、さらなる内容の明確化を求めるとともに、寄付契約の消費者契約への適用については、今後の議論とすべきと考えます。以下詳細です。
意見の詳細
クラウドファンディングのプラットフォームを通じた寄付、公益信託の委託契約はこの典型になるとの理解で良いか等、ガイドライン等でその範囲を明確にする必要がある。
ガイドライン等で具体的な例を示すべきである。例えば、活動説明会等で寄付をお願いする、という行為がこれにあたるのか。原則当たらないと思うが、その点はこの条文からは明確でない。
太字部分については立法事実がなく、また、現状の所轄庁による非営利法人への指導状況を踏まえると、過剰な規制を誘発するリスクが高い。前段(当該寄付の勧誘を行う法人等を特定するに足りる事項を明らかにする)で十分だと考える。
太字部分は、曖昧さを排除し、「前二条の規定の違反またはその恐れが特に高いと認められるときは、その確認及び是正に必要な限度において」とすべきであり、それ例外の「特に必要と認めるとき」があるなら列挙して条文上記載すべきである。
太字部分の除外規定は、寄付契約が消費者契約法上の「消費者契約」に該当することを前提とする記載と思われる。しかし、寄付には消費者契約法第1条に定めるような「消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力の格差」は一般的ではない。通常の公益的な活動をしている団体が寄付をお願いした際、不当な条件を提示すれば、通常寄付者は単に寄付をしないということにすぎない。
「法人等の活動において寄付が果たす役割の重要性に留意」(第12条)するのであれば、寄付に関する規制は本法律に一本化するとともに、消費者契約法の寄付への適用については別途検討すべきである。
以上
【賛同者】
弁護士 黒川健(BLP-Network)
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