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頭に穴が開いているんです!

 先生、わたし頭に穴が開いているんです。


もちろん実際に穴が開いている訳じゃない。

本人いわく、穴が開いているように感じるんですって。

その場所は左の額の上。

ぼくが触れてみても実際に穴を感じることはできなかった。


来室された当初は生きる意欲が湧かないという状態。

動かなくなっている骨盤が動きを取り戻して

煮詰まった状態は脱して日常生活が営めるようになったんだけど

依然として、本人が感じている頭の穴は、そこに在ったままだった。


カラダにも春が感じられる様になった2月。

本人が穴が開いていると感じる場所を

ようやくぼくの手でも感じられるようになってきた。

確かに気の気配が周囲と異なっていた。


日本ではカラダにも四季が訪れる。

冬にはカラダは閉じて動きにくく、春とともに開いてきて動き出す。

花粉症は春に移行できないカラダの表現であって病気じゃない。


カラダで春を感じられたので

穴が開いていると感じる部位に徹底的に愉気をしてみた。

あっという間に意識を失って寝息を立てておられた。

後日伺ったところでは、愉気がものすごく心地よかったらしい。


2週間後にふたたび頭を確認してみると

気配の違和感がさらに明確になっていた。

手応えで感じとれる違和感へ愉気をしていく。

最初は面で捉えていた違和感の面積がじょじょに小さくなって

最後には1点となった。


明確になった異常の1点に愉気をしていく。

押さえられた1点は凄く痛いとおっしゃる。

浮き上がってきた異常の1点を捉えて愉気を続けると

頭の穴追いの愉気のように1点が頭骨上を動き出した。

異常な1点が消えるまで愉気で追っていった。

1点は最後は耳の穴に飛び込んでいった。


先生、頭の穴が消えています!


本人が頭の穴と感じていたものの正体は

感じることが出来ないエリア

すなわち麻痺のエリアだと思われた。

気が通ることで穴が消失した。


異常が1点となったので原因は打撲だと思われるんだけど

ここを打撲したことがあるか尋ねるも

記憶にないと返事が返ってきた。

もしかしたら60年以上前の過去の出来事かもしれない。


頭に穴が開いているって訴えてみても

どんな検査をしようが客観的には分からない。

他人や、専門家と言われる人に理解されなくても

カラダの持ち主である自分が

頭に穴が開いているんです、と感じられたのなら

自分の感受性にとってはそれが真実になる。



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