それでも書く。だから、書く。
実は、ひっそり、こんなコンテストに参加していました。
テーマは、「なぜ、私は書くのか」。
書く人間に、なぜ書くのかを問うなんて。これはとんでもないコンテストだ、と初めて見た瞬間、頭がくらくらしたのを覚えています。
主催者の藤原華さんのお手本記事を読んで、ますますとんでもないと思いました。というのも、お手本記事の最後に書かれていたのは、この台詞。
勝てる気なんて、しませんでした。
いくら書くのが好きでも、闘志剥き出しの言葉に勝てるとは、思えません。
でも、テーマが、あまりにも本質に迫ったものだったから。ちょうど数ヶ月、自分が本気で考えてきたものだったから。私は、筆をとることを決めました。
そして、先日、結果発表がありまして……。
何と、準グランプリをいただくことができました! 準グランプリをいただいたのは、こちらの記事です。
でも、これは完全に、「読者のための」記事。
いつも読んでくださる皆さんや、コンテストの審査員である藤原華さん、ジャスミンさん(華さんのマネージャーさん)のために、書いた記事です。
でも今日は。
書くことが好きな私自身のために、書くことが好きなnoterさんのために、書こうと思います。
一緒にコンテストに参加した仲間たちに、ありがとうという気持ちを込めて、お疲れ様という気持ちを込めて、書きます。
今回のコンテストで、「なぜ書くのか」がクリアになった方にも、いっそう迷宮入りしてしまった方にも、楽しんでいただければ嬉しいです。
書いて、よかった。
届いて、よかった。
コンテストの結果が出て、そう思った。
でも、嬉しいだけではなかった。
分かったことがある。それは、
誰も傷つけないことは難しい。
完全に理解されるのも難しい。
……ということ。
これに気がついた時、正直、私は書くのが怖くなった。
だけど、書くことで、まだ会ったことのない人と繋がれるのも確かだ。
さくら ぽぽさんのnoteを読んで、私は泣きそうになった。こんな風に受け取ってくださる人が、本当にいるんだ、と。
この言葉は、他の受賞者のnoteにも向けられているけれど、きっと、私のnoteに対しても仰っている。
だとしたら。
私はこういうことがしたかったんだって、悩みとか迷いとか怖さとかが、すーっと消えていくような気がした。
私が文章を届けたかった相手に、ちゃんと届いていて、ちゃんと受け取ってくれている。こんなに幸せなこと、たぶんないって思った。だって、私は読んでくださる人のために、全力で書いたから。
そして受け取ってくださった方が「自分は大切にされている」って感じたなら。私の文章は、ちゃんと「届いた」って言える気がした。
(感じたことをまっすぐに伝えてくださった、さくら ぽぽさん、本当にありがとうございます)
そして、私や他の受賞者の作品を"分析"なさっている、駆里もぐさん。(駆里もぐさん自身もコンテスト受賞者でいらっしゃいます! 応募作品、力強くて素敵な文章です。 後日感想書かせてください……)
駆里もぐさんも、本当に深くまで読まれていて、「伝わってる」ことが私に伝わってきて、心から嬉しかった。
この文章を読んで、私が遠回しに伝えたことも、まっすぐ駆里もぐさんに届いたんだって、心が震えた。
(ここまで深く読んでくださった駆里もぐさん、心からありがとうございます)
どんなに苦心して書いても、表面しか読まれなかったら、私の試みは失敗だったことになる。そもそも読んでもらえないことだってある。(むしろ、全世界のほとんどの人は、私の存在なんか知る術もない)
でも、こうして届くことだってある。
文章を通して、誰かと繋がれることもあるんだって、noterさんたちは、また教えてくれた。
こういう未来を、私自身が求めていたことも、はっきり分かる。
だから、noteを始める前、リアルで人と繋がることができなくて、一人で布団の中で泣いていただけの私に、過去に戻って伝えたい。「その涙は、あなただけのものじゃないよ」って。未来の誰かと一緒に泣くために、流してるんだよって。
あなたも、一人じゃない。
あなたの声を聞く人も、一人じゃない。
経験を言葉にして発信したら、あなたも誰かも救われるんだよって。
繋がれなくて、痛い思いをするかもしれない。
声が届かないことに、涙を流すかもしれない。
完璧に伝えられなくて、苦しむかもしれない。
でも、それでもやっぱり、届けようよって。
書くの怖いって思った自分にも、同じことを伝えたい。それでもやっぱり届けようよって。怖いなんて言ってないで。
人生、嫌なことなんて沢山ある。
何でこんなことが起きるんだろうとか。
何でこんなこと言われるんだろうとか。
だけど、それすらも、あなた一人の経験じゃない。いや……、書いたら、あなた一人の経験じゃなくなるんだよって。誰かが読んでくれたら、誰かの心に届いたら、それは意味ある経験になるんだよって、伝えたい。
そして、たとえ心の内に秘めていても。
言葉にしなくても。
発信しなくても。
だからってその経験の意味はなくなるわけではなくて。
いつか、たまたまあなたの隣の席に座った人を救うかもしれないよって。心からの「分かるよ」って言葉で、その人の世界が変わるかもしれないんだって、伝えたい。
書くことが全てではない。
でも、言葉には力がある。
だから、書こう。
もし、言葉にできるなら。
人生で何かを経験しているなら。
でももし、笑うことも、泣くことも、悩むことも、喜ぶことも、何もなくなったら、書くのはやめよう。書くことが苦しくて、人生も苦しくなるのなら、書くのはやめよう。
ただ、笑おう。
ただ、泣こう。
ただ、悩もう。
ただ、喜ぼう。
そして、楽しかったことを、悲しかったことを、辛かったことを、嬉しかったことを、誰かに伝えたくなったら、また書こう。
それでいいんだよ。