ゆるめる時間
温かいお風呂に浸かったあの瞬間、わたしの頭の中から忙しさが消えていく。
ヨガで身体を解放している瞬間、わたしは身体にしっかり意識を向けて、頭で考えることをやめている。
気持ちよく晴れた日の陽だまりの中で温かい空気に包まれているその瞬間、一切の蟠りが消えて、安堵の感覚が身体中に広がっていく。
午後の微睡の中で気持ちよくうたた寝しているその瞬間、全てが溶けてしまいそうになる。
オフの時は、こんな風に過ごすことが好き。
だけど、こういうことって何にもしていないように思えてしまい、なんとなく罪悪感を覚えてしまうことも沢山ある。
ある本に書かれていた。
「そういう時、何もしていないようにみえるけれど、身体では沢山の事が行われているんだよ」と。
私たちがきちんと身体を緩めている時、呼吸が深くなり、たっぷりと酸素が取り込まれる。筋肉の緊張も緩んで、穏やかな気持ちになっていく。血液が巡り始め、身体の隅々まで行き渡り、手足が温かくなって体温も上がる。
身体が緩む事で、睡眠の質もあがって、心身の疲労を癒し、傷付いた細胞の回復を助ける。免疫機能も上がる。
よく眠れ、疲労も回復するから、目覚めも良い。
日中は身体を活動的に動かせる為、程よく疲れ、よく眠れる。
というわけだ。緩めることって、何にもしていないみたいで、現代人は罪悪感を持つ事が多いと言われているけれど、そんなことない。身体では沢山の事が行われている。
深い休息の時間を大切にすることで、人としてのシステムがより活発になるんだ。
みんな頑張ることが得意。頑張らなくても頑張れちゃうんだ。だからもう少し、ゆるめることにも積極的になってみてもいいのかもしれない。
身体と心の充電がたっぷりの時の方が、きっと能力も発揮できるから。