
詩って面白そうかも?
突然だが、皆さんはお気に入りの詩とかあるのだろうか。
残念ながら、私はまだ好きな詩はなく、まして興味さえなかった。
そんな自分が、ある偶然的な出会いでこの本を見つけ、読了した時には、詩というものが魅力的なものだと気づくことができた。

この本の面白いところに、作者(大岡 信さん)の半生も同時に振り返っているところだ。
知らない人のために大岡信さんのプロフィールを載せてみるが、文学の世界で華々しい経歴をたどった人である。
そういう人の生き様から得られるものはとても多かった。
大岡信さんのプロフィール
生年月日: 1931年2月16日
出生地: 静岡県 三島市
死亡日: 2017年4月5日
受賞歴: 日本学士院賞、 朝日賞
中学時代から作歌・詩作を行い、東大国文科卒後、読売新聞社外報部記者を経て、明治大学、東京芸術大学で教鞭を執ります。1979年から朝日新聞に連載した「折々のうた」で菊池寛賞を受賞。1995(平成7)年恩賜賞、日本芸術院賞受賞。1996年朝日賞受賞。1997年文化功労者。2003年文化勲章受章。詩集『春 少女に』などのほか、『紀貫之』『ことばの力』『正岡子規』『岡倉天心』など著書も多数に及びます。
この人とは住む世界が違うんだろうなー(^^; というのが私の第一感だった
が、作者に親近感を持つシーンも多数あった。
特に中高生時代の作者が好きだったお気に入りの詩の紹介部分や、その時に感じていたところなどは割と自分の感性に似てて、ちょっと嬉しくなった。
また、外国語文学の詩に触れてみたくなったことも、この本を読んだことによる効能だろう。
私は本を読むこと自体に抵抗はないが、外国語文学を読むことは大の苦手であった。
理由は単純で、外国語を日本語訳にしたときの違和感のある表現にあり、それが私を敬遠させてきたのだった。
しかし、この本は外国語文学の面白さをこれでもかというほど気づかせてくれた。
古代ギリシアの人間模様、フランス文学と日本文学のセンスの違い、実際に作者が体験した詩を訳すことの苦労話など、読んでみると自分が単に食わず嫌いをしていたのではないか、と思うほど面白く、自分の世界を広げさせてくれた。
いかがだったであろうか。
自分はこの後、衝動的にブックオフで漫画と一緒に詩の本を買ってしまうくらいには変化してしまった。
本当に人をそうさせるほどのパワーを持った本であると思う。
これから詩に触れてみたい人、大岡さんについて知りたい人は是非読んでみてほしい。
最後に。。。
この本は難解漢字が多かったり、詩の説明のなかで理解しきれないところがあったりして、正直、自分にはまだ時期尚早なのではないかと自問自答したこともあった。
こういう点には留意して挑戦してほしい。FIGHT!