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春支度|俳句

2週間前

白魚よそらうつすみず揺らしつつ

母娘いま未来のはなしほうれん草

水仙はきかずきこえずしずかさよ

さしてくる日を握りしめ春が来る

ほんのうが鳴きあげる夜よ恋の猫

意識下にほのあかりさす日向ぼこ

こうさてん吹かれる身さえ春塵よ

赤はげんじつ白はしんじつ梅の花

いちぎょうの俳句ひかれよ軒氷柱

このいえよ椿さえ葉にかくれがち

早春よすずめあつまるみずたまり

棘よりも赤く薔薇の芽吹きやまず

ゆく川よおなじ日なたのふきの薹

三津浜はすでに灯の港冬あけぼの

盆梅のはなひとつずつおもたいぞ

うぐいすもち風景として皿のうえ

そのかげにくらんで鯉よ寒つばき

かおあげて天なつかしむ雪だるま

えいがみな暴力ばかりはるのゆき

そのへんにのびのびと咲く薺こそ

あっという間に年寄るぞかえり花

無思想よ噛んでもかんでも寒林檎

毛糸編むミニマリストの淋しさに

ゆめのなかあるいて行くぞ眠る山

つぼみ日にふくらむ碧梧桐の忌よ

川の瀬々かがやかに冬去りゆくと

温厚でいることみかんあまいこと

ひとつほぐれ梅のつぼみよ旧正月

とぶ蝶よ急がすように瀬々のおと

オリオンよきえのこる夜の町灯り

もうつぎのきせつのおとよ冬の川

冬銀河|俳句

2か月前

冬つばめ|俳句&コラージュ

2か月前

ふれる手に猫あまえがち日向ぼこ

ふゆの梅山のにおいがかわりだす

コートたちにはかかわらず雪達磨

これ以上ちかづけず野のふゆの虹

スノーマン夜が美しいものがたり

行くひとにさえふりつもる雪国よ

いちまいのそらにさざなみ氷面鏡

やわらかにひっくりかえす落葉焚

灯をすぎて灯までの坂よふゆの月

たたみ替え青いかおりが廊下まで

いただくかかがみ開きの槌のおと

ちへいせんだんだん赤よ初日の出

凍滝よしんからあおみがかるほど

なみのおと耳にのこらず初凪ぎよ

撃ち撃って兵士とびちる夕枯れ野

目とじても香のあかるさよ冬の梅