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#100文字ドラマ

あなたのアイデアがドラマに!テレビ東京の深夜ドラマのテーマを募集する投稿コンテスト「#100文字ドラマ」を開催します。

人気の記事一覧

ケーキ屋さんと猫 ショートショート&100文字の世界

よっと、塀をぴょん。 野良猫ならこんなの余裕。 いつものケーキ屋さんにたどり着く。 「あっ、みぃちゃん来たんだね〜♡」 店長は目をハートにして、お魚を出した。 甘みを感じれなくても、店長のケーキを食べてみたい。

喪服のわたしは・・・ #100文字ドラマ

きのうは、親戚のお葬式に参列しました。 いつもだけど、故人にうまく声をかけられなかったな。 ‥ 帰り、 八百屋さんの前にたたずみ 喪服のわたしは 梅の誘惑に負けました。 それいま? 我ながら滑稽ね。 生きてる。

的確すぎる人  #100文字ドラマ

「報われる?利用されて終わるわよ」 晴天の露天風呂に暗雲が立ち込める。 60代と思しき5人組 嫁として酷使される友を仲間が慰めるなか、 しゃがれた声色がとおる。 嫌われ者だとひと目で察した。 きっと的確すぎる人。

100字

強い雪が降っていた。ほんの一瞬だったけれど、それを座って見届けていた。 私の住むアパートは壁が薄くて、電子ピアノを弾くにもヘッドホンを繋がなければいけない。 ふと、私は壁に向かって「大好きです」と囁いた。 ───── ずっと、私は空を向いている。 大抵の時、少しでも空の方を向いている。 君と二人きりでお出掛けをしても、君が大好きで仕方なくても、ずっ、と空を向いている。 君と眼を合わせない様に。 君が隕石とぶつからない様に。

ブルーノ・マーズ 『Marry You』 #100文字エッセイ

これは、ブルーノがお酒に酔った勢いで 「キミと結婚したい」とのたまい、 鐘のなる教会まで手を引いてくれる ありがたいお歌。 遠慮なく結婚しちゃって下さい! 酔いが覚めて現実に戻ったら、神棚に祀っておきましょう。

悲しみの声や涙で育つ、沖縄の涙(なだ)の木、うむまあぎー

  敬愛する沖縄の詩人、山之口獏の詩にうむまあ木という不思議な木が出てきます。   (略)  さうかとおもふと琉球には  うむまあ木といふ木がある  木としての器量はよくないが詩人みたいな木なんだ  いつも墓場に立つてゐて  そこに來ては泣きくづれる  かなしい聲や涙で育つといふ  うむまあ木といふ風變りな木もある         (山之口獏詩集「世はさまざま」より)  この詩に接したのは中学生の時ですが、以来、私はこの木のことがずっと気になっていました。「かなしい聲や涙で

1)「いのち」と言う神と、神々、仏、と今回のコロナ

A「修正、加筆、変更、など、のお知らせと、記録」2020/9/14日 関連note及びリンク集を、新しく追加しました。2020/06/03/     C の内容変更   F 1,2,3 を加筆しました。AとBを入れ替えました。目次を作りました。 2024年1月11日広告貼り付け一部修正 Bお断りこのnoteは、おそらく、完成と思われますが、このnoteを載せる基盤としてのnoteを載せております。コロナに関する宇宙規模の問題を取り扱ったnoteで、随時更新していくnoteで

マルマインの充血

久しぶりにコンタクトをつけた日の夜、左目の下半分だけ真っ赤に充血してた。 それを見たサトシに「まるでマルマインの充血だな」と言われて デーモンの召喚みたいに言うな!と思った。 僕はマサト。遊戯王に詳しいよ。

100字物語『少年のさがしもの~リターン篇』#第98話

外人墓地へ続く坂道を行く。錨形の墓標に土手で摘んだ花を置く。トビーの墓だ。トビーは父を船乗りへと導いた背の高い英国人船長だ。幼い頃、肩車をしてもらった。トビー、僕も船乗りになる。諦めないと約束するよ。   <登場人物>         朔:主人公・中学2年  蓮:幼なじみ    湊さん:同じクラスの女子   青山:クラスメイトの男子 シロップ:朔の飼い猫      朔の父:遠洋タンカー乗り (to be continued) ※この話に登場するトビーについては、こちらに

100字物語『少年のさがしもの~リターン篇』#第87話

高架下アーケードを蓮とぶらつく。青山は買い物に興味がないらしい。朔はピックを買う。湊さんが告白されてたと教えると、蓮も肩を落とす。湊さん高校どうするのかな?現実の足音がアーケードに響く。自由でいたい。   <登場人物>        朔:主人公・中学2年  蓮:幼なじみ      シロップ:朔の飼い猫        湊さん:同じクラスの女子  青山:クラスメイトの男子 朔の父:遠洋タンカー乗り (to be continued) * * * * * リターン篇は50話

100字物語『少年のさがしもの~リターン篇』#第92話

図書館に入る湊さんを見つけた。朔は追いかける。洋書の棚にいた。「読めるの?」「少しだけ。英語で歌えるようになりたいの」告白のこと聞きたかったけれど。湊さんにも目標がある。自分の背景だけがぼやけたまま。   <登場人物>         朔:主人公・中学2年  蓮:幼なじみ    湊さん:同じクラスの女子   青山:クラスメイトの男子 シロップ:朔の飼い猫      朔の父:遠洋タンカー乗り (to be continued) * * * * * リターン篇は50話まで

100字物語『少年のさがしもの~リターン篇』#第99話

蓮とブランコに座る。風が冷たい。船乗りの学校があるんだ。母さんが見つけてくれた。でも、寮暮らしになるから迷ってると言うと。蓮がブランコを大きく漕ぐ。羅針盤が指す方角はわかっている。勇気だけが足りない。   <登場人物>         朔:主人公・中学2年  蓮:幼なじみ    湊さん:同じクラスの女子   青山:クラスメイトの男子 シロップ:朔の飼い猫      朔の父:遠洋タンカー乗り (to be continued) * * * * * リターン篇は50話まで

100字物語『少年のさがしもの~リターン篇』#第96話

祖父の工場まで自転車を飛ばす。祖父は現役で板金工場をやっている。父が継がなかったから、「俺の代でしまいさ。それでいいんだよ」と言う。大切なのはフレームじゃない。どんな写真を入れるかなんだと言って笑う。   <登場人物>         朔:主人公・中学2年  蓮:幼なじみ    湊さん:同じクラスの女子   青山:クラスメイトの男子 シロップ:朔の飼い猫      朔の父:遠洋タンカー乗り (to be continued) * * * * * リターン篇は50話まで

100字物語『少年のさがしもの~リターン篇』#第94話

船乗りになりたい気もするけど。父と兄の後を追っているみたいで嫌だ。でも、この海が世界に続いているなら、その先へ行ってみたいと思う。気持ちが波になる。朝焼けに染まる海。不協和音の旋律が頭の奥で鳴ってる。   <登場人物>         朔:主人公・中学2年  蓮:幼なじみ    湊さん:同じクラスの女子   青山:クラスメイトの男子 シロップ:朔の飼い猫      朔の父:遠洋タンカー乗り (to be continued) * * * * * リターン篇は50話まで

100字物語『少年のさがしもの~リターン篇』#第93話

昔、蓮と作った裏山の秘密基地に青山を誘う。枯葉を払って入口を探す。懐中電灯とリモコンが転がってた。この洞穴みたいに、先は暗くて見えない。だけど。トンネルはどこかに抜けるためにある、と父さんが言ってた。   <登場人物>         朔:主人公・中学2年  蓮:幼なじみ    湊さん:同じクラスの女子   青山:クラスメイトの男子 シロップ:朔の飼い猫      朔の父:遠洋タンカー乗り (to be continued) * * * * * リターン篇は50話まで

100字物語『少年のさがしもの~リターン篇』#第95話

三者面談で志望校は決めてないと言うと、今の成績ならこのへんだな、だってさ。帰り道、遮断機の降りた踏切前で「行きたい学校はないけど、なりたいものはある」と告げると、母が驚く。シグナルは伝わっただろうか。   <登場人物>         朔:主人公・中学2年  蓮:幼なじみ    湊さん:同じクラスの女子   青山:クラスメイトの男子 シロップ:朔の飼い猫      朔の父:遠洋タンカー乗り (to be continued) * * * * * リターン篇は50話まで

100字物語『少年のさがしもの~リターン篇』#第88話

学年末試験が明日から始まる。これが終わると、受験のレールに無理やり乗せられるんだ。テスト勉強は、あと何回しなきゃいけないのかな?冬空にオリオンの3つ星が光る。無限に続く宇宙。答えはどこにあるのだろう。   <登場人物>        朔:主人公・中学2年  蓮:幼なじみ      シロップ:朔の飼い猫        湊さん:同じクラスの女子  青山:クラスメイトの男子 朔の父:遠洋タンカー乗り (to be continued) * * * * * リターン篇は50話

100字物語『少年のさがしもの~リターン篇』#第90話

シロップを自転車の籠に乗せ、岬へとくねる坂道を3人で走る。崖下に広がる冬の海。朔が叫ぶ。蓮も叫ぶ。青山が笑い転げる。訳の分からない高揚と叫びを海風がさらう。俺たちはそれぞれの轍を見つけられるだろうか。   <登場人物>        朔:主人公・中学2年  蓮:幼なじみ      シロップ:朔の飼い猫        湊さん:同じクラスの女子  青山:クラスメイトの男子 朔の父:遠洋タンカー乗り (to be continued) * * * * * リターン篇は50話

100字物語『少年のさがしもの~リターン篇』#第100話 <完結>

シロップと夕陽に染まる突堤を行く。海の先に知らない世界がある。「フェンスはいいぞ」父さんが言った。向こうにある夢が見えるだろ。フェンスは超えるためにある。僕はずっとフェンスを探していたのかもしれない。 (The End) * * * * * 一年ちょっとかけて連載していた、<100字物語『少年のさがしもの』>を なんとか100話まで書き終えることができました。 毎回、100字で描写すること。 それがルールでした。 50話までは、100字での風景描写。 51話からは、10

100字物語『少年のさがしもの~リターン篇』#第86話

体育館の裏に回って、朔はドキッとする。テニス部のスコート姿の湊さんの前に男の背が。告白されてるのか?校庭コンサートから、湊さんの人気がすごい。天に響く歌声だったもんな。朔には後一歩の壁が越えられない。   <登場人物>        朔:主人公・中学2年  蓮:幼なじみ      シロップ:朔の飼い猫        湊さん:同じクラスの女子  青山:クラスメイトの男子 朔の父:遠洋タンカー乗り (to be continued) * * * * * リターン篇は50話

100字物語『少年のさがしもの~リターン篇』#第97話

古着屋への階段を昇る。去年、ここでジーンズを買った。この店を教えてくれた兄はオーストラリアだ。店の壁を撫でる。時は動いている。今、この瞬間も。古い物と新しい物。混じり合い新たな扉が開くのかもしれない。   <登場人物>         朔:主人公・中学2年  蓮:幼なじみ    湊さん:同じクラスの女子   青山:クラスメイトの男子 シロップ:朔の飼い猫      朔の父:遠洋タンカー乗り (to be continued) * * * * * リターン篇は50話まで

100字物語『少年のさがしもの~リターン篇』#第85話

冬休みの最後の日。3人で海の見える駅にいた。「これからどうする?」「もうすぐ3年だもんな」「受験勉強か」「志望校どうしよっか」地図は自分たちで作ればいいんだ。わかっているけど、難しいよな。海がうねる。   <登場人物>        朔:主人公・中学2年  蓮:幼なじみ      シロップ:朔の飼い猫        湊さん:同じクラスの女子  青山:クラスメイトの男子 朔の父:遠洋タンカー乗り (to be continued) * * * * * リターン篇は50話

100字物語『少年のさがしもの~リターン篇』#第91話

冬の陽ざしが暖かい河川敷。蓮が土手でサックスを吹く。志望校はまだ決まらない。でも、吹奏楽部にもう一回チャレンジしたい。ジャズもいいなと思ってる。だから、英語もがんばるよ。一瞬、蓮の翼が見えた気がした。   <登場人物>         朔:主人公・中学2年  蓮:幼なじみ    湊さん:同じクラスの女子   青山:クラスメイトの男子 シロップ:朔の飼い猫      朔の父:遠洋タンカー乗り (to be continued) * * * * * リターン篇は50話まで

100字物語『少年のさがしもの~リターン篇』#第78話

建設現場のトタンは撤去されもう完成間近だ。新築の建造物を夕陽が染める。たくさんの家族が住むんだな。転校生も来るかな。人の数だけベクトルはある。父さんは今どの辺りを航海しているんだろう。なあ、シロップ。   <登場人物>        朔:主人公・中学2年  蓮:幼なじみ      シロップ:朔の飼い猫        湊さん:同じクラスの女子  青山:クラスメイトの男子 朔の父:遠洋タンカー乗り (to be continued) * * * * * リターン篇は50話

100字物語『少年のさがしもの~リターン篇』#第89話

テストが終わってから、青山は毎日、放課後、理科室に通っている。シャーレを並べ顕微鏡を覗いて、キノコの研究をしているらしい。生物学者になりたいんだ。答えのない問いが面白いという。青山らしいと、朔は思う。    <登場人物>        朔:主人公・中学2年  蓮:幼なじみ      シロップ:朔の飼い猫        湊さん:同じクラスの女子  青山:クラスメイトの男子 朔の父:遠洋タンカー乗り (to be continued) * * * * * リターン篇は50

100字物語『少年のさがしもの~リターン篇』#第82話

青山が蓮と朔を釣りに誘う。魚が活性化する前が狙い目。目覚めて腹へったな、パクッだ。何でもそう。機会を狙うんだ。青山は時々いいことを言う。「じゃあ恋も?」蓮が訊く。「それはわからん」朔の釣り竿がしなる。   <登場人物>        朔:主人公・中学2年  蓮:幼なじみ      シロップ:朔の飼い猫        湊さん:同じクラスの女子  青山:クラスメイトの男子 朔の父:遠洋タンカー乗り (to be continued) * * * * * リターン篇は50話

100字物語『少年のさがしもの~リターン篇』#第84話

兄がオーストラリアに語学留学する。必死でバイトしてた。船乗りかパイロットになるには必要だから。兄貴はいつも先を行く。俺も境界を越えられるだろうか。白い雲を引いて兄が旅立った空をシロップと見上げていた。   <登場人物>        朔:主人公・中学2年  蓮:幼なじみ      シロップ:朔の飼い猫        湊さん:同じクラスの女子  青山:クラスメイトの男子 朔の父:遠洋タンカー乗り (to be continued) * * * * * リターン篇は50話

100字物語『少年のさがしもの~リターン篇』#第83話

校庭で開いたコンサート。湊さんのアメイジンググレイスが天に響く。歓声があがる。『きよしこの夜』を全員で合唱した。打ち上げは駅前のマクド。興奮が残ったままバスに乗ると、街はクリスマスの象徴に煌いていた。   <登場人物>        朔:主人公・中学2年  蓮:幼なじみ      シロップ:朔の飼い猫        湊さん:同じクラスの女子  青山:クラスメイトの男子 朔の父:遠洋タンカー乗り (to be continued) * * * * * リターン篇は50話

100字物語『少年のさがしもの~リターン篇』第79話

父さんの手紙を手に冬枯れの林を歩く。なんでメールやLINEじゃないんだ。「文化祭の演奏成功おめでとう。余白は大きいほどいい。余白は未来のためにある」相変わらず謎めいた文面。でも少しだけわかる気がする。   <登場人物>        朔:主人公・中学2年  蓮:幼なじみ      シロップ:朔の飼い猫        湊さん:同じクラスの女子  青山:クラスメイトの男子 朔の父:遠洋タンカー乗り (to be continued) * * * * * リターン篇は50話

100字物語『少年のさがしもの~リターン篇』#第80話

「赤レンガ倉庫前で路上ライブしないか」蓮が提案する。こんなことを言い出すのは、青山だったのに。朔が驚く。「いいね、やろう!」青山が賛同する。湊さんも乗り気だ。4人ならできるさ。俺たちの刻が動き始める。   <登場人物>        朔:主人公・中学2年  蓮:幼なじみ      シロップ:朔の飼い猫        湊さん:同じクラスの女子  青山:クラスメイトの男子 朔の父:遠洋タンカー乗り (to be continued) * * * * * リターン篇は50話

100字物語『少年のさがしもの~リターン篇』#第76話

雪の朝、家を出たら雪玉が朔の顔で炸裂した。雪煙をかすめて高笑いが響く。蓮と青山が腹を抱えている。ちくしょう!「湊さんとの抜け駆けは無しだぞ」「あるわけないだろ」友だちって鏡みたいだ。同じ顔で笑ってる。   <登場人物>        朔:主人公・中学2年  蓮:幼なじみ      シロップ:朔の飼い猫        湊さん:同じクラスの女子  青山:クラスメイトの男子 朔の父:遠洋タンカー乗り (to be continued) * * * * * リターン篇は50話

100字物語『少年のさがしもの~リターン篇』#第77話

プラネタリウムの最終上映にギリ間に合うから。青山に誘われ3人で丘の上の天文館に向かう。シリウス、昴、オリオン。青山が解説する。星座って夜空の地図でシナリオさ。俺たちの次のシナリオは湊さんもキャストだ。   <登場人物>        朔:主人公・中学2年  蓮:幼なじみ      シロップ:朔の飼い猫        湊さん:同じクラスの女子  青山:クラスメイトの男子 朔の父:遠洋タンカー乗り (to be continued) * * * * * リターン篇は50話

100字物語『少年のさがしもの~リターン篇』#第69話

神輿の行列が練り歩く。囃子と掛け声が空にこだまする。たこ焼きを頬ばりながら青山が「お囃子のリズムも入れてみるか」と。「それ、いいな」蓮が声を弾ませる。ワクワクが3倍速でふくらむ。展望はあるさ、きっと。   <登場人物>        朔:主人公・中学2年  蓮:幼なじみ      シロップ:朔の飼い猫        湊さん:同じクラスの女子  青山:クラスメイトの男子 朔の父:遠洋タンカー乗り (to be continued) * * * * * リターン篇は50話

100字物語『少年のさがしもの~リターン篇』#第68話

取り壊しが決まった洋館の前にセーラー服が佇む。湊さんだ。朔に気づく。好きだったのになぁ、とぽつり。朔はどきっとする。いつも見ていたのに。なんだ洋館のことか。なじんだ風景に落葉が舞う。追憶が胸をゆらす。    <登場人物>        朔:主人公・中学2年  蓮:幼なじみ      シロップ:朔の飼い猫        湊さん:同じクラスの女子  青山:クラスメイトの男子 朔の父:遠洋タンカー乗り (to be continued) * * * * * リターン篇は50

100字物語『少年のさがしもの~リターン篇』#第71話

朔の家で最後の音合わせ。文化祭は明日だ。「この2か月楽しかったな」と蓮。「間違えても気にしないでやろう」と朔。「楽しめばいいじゃん」と青山。俺たちのサンクチュアリはここにある。シロップもにゃあと鳴く。   <登場人物>        朔:主人公・中学2年  蓮:幼なじみ      シロップ:朔の飼い猫        湊さん:同じクラスの女子  青山:クラスメイトの男子 朔の父:遠洋タンカー乗り (to be continued) * * * * * リターン篇は50話

100字物語『少年のさがしもの~リターン篇』#第75話

少女がひとり川沿いの教会から出て来て、朔に手を振る。湊さんだ。「聖歌隊で歌ってるの。朔君たちのコンサートに参加させてもらえない?」胸が跳ね上がる。もちろん、いいよ、いいよ。頭の奥をエコーが駆け抜ける。   <登場人物>        朔:主人公・中学2年  蓮:幼なじみ      シロップ:朔の飼い猫        湊さん:同じクラスの女子  青山:クラスメイトの男子 朔の父:遠洋タンカー乗り (to be continued) * * * * * リターン篇は50話

100字物語『少年のさがしもの~リターン篇』#第58話

新興住宅地へと続く坂を塾のバスが走り去る。「塾に行け」と母さんは言わない。でも、みんな行ってる。朔は土手に座って空を見上げる。塾の先にやりたいことは見えない。ルートは一本じゃない。父さんは言うけれど。  <登場人物>        朔:主人公・中学2年  蓮:幼なじみ      シロップ:朔の飼い猫        湊さん:朔の同じクラスの女子  朔の父:遠洋タンカー乗り  (to be continued) リターン篇は50話までと対になっています。 この話の表面(A面

100字物語『少年のさがしもの~リターン篇』#第81話

早朝の丘に楽器を持って集合した。ほの暗い坂道を朔はギターを背負い、蓮はサックスケースを提げて登る。白く目覚め始めた街に向かって、湊さんが歌声を響かせる。澄んだ声が、朝の空気を震わせ、心の天秤を揺らす。   <登場人物>        朔:主人公・中学2年  蓮:幼なじみ      シロップ:朔の飼い猫        湊さん:同じクラスの女子  青山:クラスメイトの男子 朔の父:遠洋タンカー乗り (to be continued) * * * * * リターン篇は50話

100字物語『少年のさがしもの~リターン篇』#第62話

鎮守の森の崖から海に向かって蓮が叫ぶと、藪から何かが飛び出した。青山だ。「蓮か。びっくりさせるな」こっちのセリフだ。葉っぱだらけの頭でキノコを持っている。可笑しさに触発され、蓮は悩みを忘れ大笑いする。   <登場人物>        朔:主人公・中学2年  蓮:幼なじみ      シロップ:朔の飼い猫        湊さん:同じクラスの女子  青山:クラスメイトの男子 朔の父:遠洋タンカー乗り  (to be continued) * * * * * リターン篇は50

100字物語『少年のさがしもの~リターン篇』#第56話

3連休に今度は朔が蓮を青春18切符の旅に誘った。薄が金色に揺れている。各駅停車でバカ話ばかりが弾む。聞きたい言葉は、風に連れ去られる。不安は期待の裏返しだと兄貴が言っていた。どこかで猫の鳴き声がした。   <登場人物>        朔:主人公・中学2年  蓮:幼なじみ      シロップ:朔の飼い猫        湊さん:朔の同じクラスの女子 (to be continued) この話の表面(A面)は、こちら。 あわせてお楽しみください。 51話からは、舞台を逆にさ

100字物語『少年のさがしもの~リターン篇』#第73話

シーズン前のゲレンデを3人で登る。文化祭の興奮とエネルギーが燻る。「クリスマスコンサートしないか」と青山。「いいな」「やろう!」朔と蓮が叫ぶ。初雪が舞う。まずは草そりレースだ。俺たちのロック魂も舞う。   <登場人物>        朔:主人公・中学2年  蓮:幼なじみ      シロップ:朔の飼い猫        湊さん:同じクラスの女子  青山:クラスメイトの男子 朔の父:遠洋タンカー乗り (to be continued) * * * * * リターン篇は50話

病気の人

病気に苦しむ人がいる。その人は諦めている。僕は応援することしか出来ない。 頑張ってなんて言えない。頑張ってもどうにもならないことがある。頑張る美徳を人は好むけど、苦しむ人には逃げるという選択肢を考えてもらいたい。 だから、頑張ってなんて言えない。

100字物語『少年のさがしもの~リターン篇』#第72話

文化祭の舞台。青山がマラカスでリズムをとる。朔は弦に指を走らす。蓮がサックスを轟かす。心臓が120ビットで鼓動を刻む。手が胸が熱くなる。拍手と笑いが体育館をゆらす。動機はちっぽけでも響く旋律となった。   <登場人物>        朔:主人公・中学2年  蓮:幼なじみ      シロップ:朔の飼い猫        湊さん:同じクラスの女子  青山:クラスメイトの男子 朔の父:遠洋タンカー乗り (to be continued) * * * * * リターン篇は50話

100字物語『少年のさがしもの~リターン篇』#第70話

放課後グラウンドを通ると、「3オン3しようぜ」と声がかかる。「お前ら最近なにやってんの?」「文化祭で自主演奏するんだ」。蓮がドリブルですり抜け、青山にパス。最後は朔がシュート。3人の軌道が段々重なる。   <登場人物>        朔:主人公・中学2年  蓮:幼なじみ      シロップ:朔の飼い猫        湊さん:同じクラスの女子  青山:クラスメイトの男子 朔の父:遠洋タンカー乗り (to be continued) * * * * * リターン篇は50話

100字物語『少年のさがしもの~リターン篇』#第74話

数学の授業中、隣からメモが。湊さんの丸い字で「また、何かするの?」朔はそっと横を向きうなずく。青山が背中を小突く。音楽と数学は似てると青山はいう。そう考えると数学も面白い。変化は思わぬ形でやって来る。   <登場人物>        朔:主人公・中学2年  蓮:幼なじみ      シロップ:朔の飼い猫        湊さん:同じクラスの女子  青山:クラスメイトの男子 朔の父:遠洋タンカー乗り (to be continued) * * * * * リターン篇は50話

100字物語『少年のさがしもの~リターン篇』#第53話

日曜の朝、幼なじみの蓮が来た。籏山に登ろうという。蓮の誘いは小学校以来だ。誘った理由を蓮は言わない。振り返って笑うだけ。僕らは並んで海を眺める。額の汗が光る。時の彼方に答えはあるのか。それが知りたい。     <登場人物>        朔:主人公・中学2年  蓮:幼なじみ      シロップ:朔の飼い猫        湊さん:朔の同じクラスの女子  (to be continued) この話の表面(A面)は、こちら。 あわせて、お楽しみください。 51話からは、舞台

100字物語『少年のさがしもの~リターン篇』#第67話

自転車で湖のキャンプ場をめざす。3人で練習合宿だ。「楽譜なんて数式みたいなものさ」と青山が曲をアレンジ。パーカッションの腕前は今イチだけど。焚火がはぜる。コッヘルを叩いてリズムをとる。ドラマが始まる。   <登場人物>        朔:主人公・中学2年  蓮:幼なじみ      シロップ:朔の飼い猫        湊さん:同じクラスの女子  青山:クラスメイトの男子 朔の父:遠洋タンカー乗り (to be continued) * * * * * リターン篇は50話

100字物語『少年のさがしもの~リターン篇』#第61話

朔と蓮は商店街で買ったコロッケを頬張る。1年にサックスのうまいヤツがいてさ。蓮がぽつりと語る。文化祭のパートがそいつに決まったんだ。朔には言葉が見つからない。日常は変化する。それを僕らは時どき忘れる。   <登場人物>        朔:主人公・中学2年  蓮:幼なじみ      シロップ:朔の飼い猫        湊さん:同じクラスの女子  青山:クラスメイトの男子 朔の父:遠洋タンカー乗り  (to be continued) * * * * * リターン篇は50

100字物語『少年のさがしもの~リターン篇』第60話

シロップと天満宮の鳥居をくぐる。振り返ると、海が光っている。昨日、蓮から吹奏楽部を辞めると聞いた。兆しは感じていたけれど。ポケットの五円玉を賽銭箱に投げる。学問の神様でもいいか。蓮を想って柏手を打つ。   <登場人物>        朔:主人公・中学2年  蓮:幼なじみ      シロップ:朔の飼い猫        湊さん:同じクラスの女子  青山:クラスメイトの男子 朔の父:遠洋タンカー乗り  (to be continued) * * * * * リターン篇は50

100字物語『少年のさがしもの~リターン篇』#第54話

音楽室の前を通ると、吹奏楽部の不協和音が廊下を震撼させていた。扉の隙間から覗くと、蓮が窓際で一人サックスを吹いている。パート練習だろうか。一人なのが、朔は気になる。調和って何だろう。個性って何だろう。    <登場人物>        朔:主人公・中学2年  蓮:幼なじみ      シロップ:朔の飼い猫        湊さん:朔の同じクラスの女子 (to be continued) この話の表面(A面)は、こちら。 あわせてお楽しみください。 51話からは、舞台を逆に