父母子電車ごっこす冬の暮 「家族」と言えば、ひとそれぞれの家族像が浮かぶ中、この「父母子」。背の大きさ、体の大きさ、家族像も含めて浮かんでくる、電車ごっこの3人の姿。 冬の暮の中で、仲良しな家族像が浮かんでくる素敵な句。 #100文字俳句鑑賞 #〇〇句集 #すーこさん
寝室で今も仲良しひいなかな ひいな=ひな人形の読みが第一に来るのだけれども、本当に仲良しのひな人形のような姉妹かもしれない。寝室に飾られているひな人形の横に、仲良く寝ている姉妹がいるのかも。ひな人形の姿も姉妹の姿も浮かぶ素敵な句。 #100文字俳句鑑賞 #〇〇句集 #すーこさん
もぎたての胡瓜トゲトゲ瑞々し スーパーの胡瓜にトゲはありませんが、畑で穫れたばかりの胡瓜は痛いくらいにトゲトゲです。きっとそんな胡瓜を食べられるのは、ある種の特権です。夏に溢れている生命力が、胡瓜を通して鮮やかに感じられます。 #100文字俳句鑑賞 #○○句集 #すーこさん
蓑虫や君の俳句を抱きしめる 子供の頃、蓑虫のみのを剥がしてから、細かく刻んだ様々な折り紙の中に入れると、それでカラフルなみのを作るという話を聞いたことがあります。沢山の俳句を丁寧に纏った、カラフルな蓑虫を連想しました。 #100文字俳句鑑賞 #○○句集 #うつスピさん
初雪や互いに意固地気づくとき 意固地になっていることを自覚するのは簡単なことではない、という実感があります。対人関係であれば尚更です。舞い始めた初雪を見上げて、ふっとそんな自分を認められる心の余裕ができたのかもしれません。 #100文字俳句鑑賞 #○○句集 #字坊人造さん
水羊羹お元気ですか笑みぷるん 私が水羊羹でまず思い浮かべるのは、子供の頃に父がお中元か何かで頂いたものです。夏のお心遣いは確かに、笑顔も運んできてくれました。冷たくて優しい味わいが、この御句を通して蘇ってきました。 #100文字俳句鑑賞 #○○句集 #おはようよねちゃんさん
命日の縁側の日の永くあり 亡くなられた方は、よく縁側に座っていらしたのかもしれません。様々な思い出が春のやわらかい光となって、命日にはまたその縁側に戻ってきてくれるようです。少しでも長くとどまっていてほしいです。 #100文字俳句鑑賞 #○○句集 #シャビさん
名月や閉店決まった百貨店 百貨店が閉店するというニュースを最近よく耳にします。当然のように存在していた馴染みのある大きなお店がなくなるのは寂しいです。秋の大きな月は、きっと様々な栄枯盛衰を見守ってきたのでしょうね。 #100文字俳句鑑賞 #○○句集 #IKUKO@するすみさん
風死す、頭蓋を砕く骨上げ 骨壺に収めるためにお骨を砕く瞬間、何だかドキッとしたことを覚えています。正にあれは、心に吹いていた風がぴたりと止んだ瞬間でもあったように思います。背景に、焼け付くような強い陽射しが立ち昇りました。 #100文字俳句鑑賞 #○○句集 #ミテイナリコさん
虫の闇「ねないこだれだ」開けたまま 虫の闇。虫が鳴くのみで真っ暗な秋の夜。「ねないこだれだ」という絵本が開けたままになっている。さっきまで絵本を読んでいた子どもの体温まで残っていそう。季語や絵本のタイトルが見事。 #100文字俳句鑑賞 #〇〇句集 #IKUKO @するすみさん
水羊羹お元気ですか笑みぷるん 笑みぷるん。この表現が楽しい句。そして水羊羹、私は丸いものを想像した。日本のお中元等の贈り物は、相手を気遣うこと。水羊羹がぷるんと揺れる時、相手の笑顔も、自分の笑顔も映って見えるのだ。 #100文字俳句鑑賞 #○○句集 #おはようよねちゃんさん
響灘水面かすめる秋北斗 お前はもう汲んでいる、そんなフレーズも言いたくなるかもしれない。海水を汲むように響灘の水面をかすめる秋北斗。町と北斗の拳コラボも決まる美しさ。世界でも珍しい「北斗の水くみ」をぜひ見てみたい。 #100文字俳句鑑賞 #〇〇句集 #IKUKO@するすみさん
サバ缶の背骨ホロホロ崩れ幸 一人生きている作者だろうか。サバ缶を一人食べるさみしさを私は感じる。着地に幸。幸せとは、サバ缶の背骨のようにホロホロと崩れそうで、それで成り立っているのか。視点が素敵な句。 #100文字俳句鑑賞 #〇〇句集 #おはようよねちゃん (おはよねさん)
ありがとをカイロに詰めて歩こっと 「ありがと」「歩こっと」と、口語の日常的な言葉を重ねながら、カイロのあたたかさと言葉のあたたかさを重ねた句。カイロが活きていて前向きな気持ちとあたたかさが伝わってくる句。 #100文字俳句鑑賞 #〇〇句集 #おはようよねちゃん(おはよねさん)
百千鳥仲間に入れてくれないか 「仲間に入れてー」子どものころ、その一言でいろいろな遊びが始まっていた。大人になっても大事な一言かもしれない。春様々な鳥が鳴く中、自分も仲間に入っていく素敵な風景がこの句から浮かんできた。 #100文字俳句鑑賞 #〇〇句集 #すーこさん
初雪や互いに意固地気づくとき この句に思い浮かぶ二人の関係性は、きっと人それぞれだろう。私には、淡い恋人同士の関係が浮かんだ。なんてことないことがきっかけだったケンカを、初雪を見た二人は、気付かされたように意固地をきっとほどく。 #100文字俳句鑑賞 #○○句集 #字坊人造さん
蓑虫や君の俳句を抱きしめる 蓑虫。枕草子では「鬼の子」とされたこと。この作者の、どんな俳句でも抱きしめたい。そして、いろいろな俳句を抱きしめて来たみん俳への愛、各参加者への愛を感じる句。挨拶句。そんなうつスピさん素敵(自画自賛) #100文字俳句鑑賞 #○○句集 #うつスピさん
朝涼の匂ひよ星の残り香よ 夏の朝の涼しい時に匂いがあるという作者の感性が素敵。そして、その匂いは、星の残り香だよ、という発見・作者の感性を詠んだ句。この句を鑑賞した後は、朝涼の匂いは星の残り香なのかも、と感じられる句。 #100文字俳句鑑賞 #〇〇句集 #佐竹紫円さん
君が嫌いトマトが嫌い君が嫌い 嫌いってなんだろう。好きってなんだろう。本当は大好きなのかもしれない。 嫌いを三回リフレインさせる句。嫌いと書いて好きと読ませているのかもしれない。嫌いと言える関係性の相手も見えてくるような句。 #100文字俳句鑑賞 #〇〇句集 #シャビさん
変身をまだ隠してる朧月 私は自分の可能性をどれだけ信じられているだろうか。朧月のように、まだまだ本領は発揮できていないかも。自分を信じることを感じました。そして、ドラゴンボールのフリーザ様のことを思い出した自分もいました。 #100文字俳句鑑賞 #〇〇句集 #前川あすかさん
紫陽花よ七分の六信じてる 紫陽花の花言葉は移り気など。この句から人を信じることの重みを感じる。私は「あの人」のことをどれだけ信じているだろうか。信じているという言葉を言いながら七分の六ぐらいしか信じていないかも。数字がリアル。 #100文字俳句鑑賞 #〇〇句集 #字坊人造さん
靴底を地軸に回る春のterra terra=地球と鑑賞。ダンサー(バレリーナ)の姿が浮かぶ。美しく踊れば、靴底の回転を地軸にして、地球が回っていくのかもしれない。圧倒的な地球上の主役感。美しい踊りが浮かんでくる句。 #100文字俳句鑑賞 #〇〇句集 #ミテイナリコさん