極めて皮肉なことだが、経済学における金属主義は、実社会における金属製造能力を劣化させる 前者は蓄財を重んじて金銀を蓄積するもの(重商主義)であって、後者は生産能力を重んじるが故に金属の製造能力や再利用能力を高める そして、大体の古代社会において、精錬鋼は金銀よりも価値が高かった
オーストリアのチロル銀山は、南米のポトシ銀山が発見されるまではヨーロッパの大部分の銀貨を供給する銀山であった 現在でもドイツは、政府による財政黒字の蓄積を重視している(重商主義)が、これは典型的な金属主義と呼ばれる中世的経済学である 彼等が重商主義から離れられない理由を考察したい