繊細で感受性が強い人にとって、大抵のものは煩くて…そして恐れている。隣人の何気ない言葉に頭を掻き回される。そしていつまでも、己を乱した原因について考え煩悶するのだ。心の監獄で自分を傷つけた対象に苛烈な尋問を加え続ける。だが現実には、収容者は私など意に介せず日常を過ごしている。
腹の底から煮え滾る この感情に おまえの名を付ける 胎の中から滲む この想いに おまえの名を付ける 捜せども返ることはなく いく術も既に亡く 阻む道が只 無機質に横たわる 応えはなく 答えもなく 哭くならば また命の糧に 指の間から溢れ落ちた この心に おまえの名を付ける