思いは水ものだ。だが執心がそれを引き止める。赤ん坊が母親の乳首から口を離さないように。甘い思いに限らない。自己憐憫から辛い思いにすらしがみつく。人の業なれど、それは私と思いの乖離を招き、やがて引き裂かれる。どんな思いでも、いつかはそっと手放してあげなければならない。
人により人のために育てられた植物は 草木よりむしろ人間に近い。 「植える」という行為は、 草木に植物であることを強要し、 大地に土壌であることを強要し、 人々に人間であることを強要する。 自然農が成立するのなら、 人々は人間ではいられない。 『自己分化』