風景を見た。 サンストーンよりなお輝く橙の地平線。 無数のダイヤモンドダストが、橙から紫へと移り変わる世界に、心躍る煌めきを添えている。 そんな眩しい輝きの中に消されそうな、孤独な犬ぞりの一群。 高揚と共に極北を駆ける、神話となり英雄となる前の少年の姿だ。
"今にして思えば、 なんであの時声を掛けなかったのだろうって思うんだ。 ん……後悔してはいない、はず……いや、後悔しているか。自分で思っている以上に気にしているようだ……" 男は、バツが悪そうに、視線を逸らしながらも、ゆっくりと昔の事を思い耽りながらも語り出した。