小説とか詩とか、それ未満とか。

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最近の記事

呟き

何で私こんな もうちょっと、もうちょっと、もうちょっと を繰り返して、 こんな地獄の果てのような場所に 来てしまったんだろう。

    • 6月の日記

      ただ何も考えずに生きていたい 退屈で平穏な日常を繰り返して 当たり前の有り難さを忘れてしまっても 涙溢れるほどの苦痛を忘れてしまっても 自分の感性が鈍ってしまっても別に良い 自分勝手で嫌味で傲慢で、クソみたいな かつての自分に戻ってしまっても もう良いんだ それで心が一時でも平和になれるなら

      • 四月の日記

        雪よりあたたかく、雲より近く 月より柔らかく太陽より優しい あの淡い白色は 桜しか持っていない色なのだと思う そのしっとりと薄くちいさな花ひらに 出来る限りの永遠を願ってしまう気持ちと 今にでもこの手で破り去ってしまいたい 気持ちがある まだ冬の冷涼の残ったそよ風に揺れる 春先の小雨にしとしとと濡れては 晴れの日差しでいっそう澄んだ輝きを放つ その全てを愛しく微笑ましく思うのに どこからともなく集まった人々の群れは まるで花に群がる虫のようだと思った

        • 打込み訴え

          聴いて下さい。聴いて下さい。誰でもいい。そこの貴方。ええ、貴方、そこで茫然と此方を見ている貴方です。聴いて下さい。私の言い分を聴いて下されば、そして適当に相槌でも打って下されば、それだけで良いですから。 はい、はい、有難うございます。では落ち着いて話します。まず、私は今すぐにでも、死ななくてはならない様な人間なのです。こんな事を言ってはいけない。命が大切なものであることは重々分かっております。ええ。でも私だけは違います。世の中の塵です。間違いありません。煙のように、跡形もなく

          二月の公園

          日向のベンチで 遠く物思いに耽る午後 ぐるんと仰げば 青い空に白い半月 それに向かって 春を待つ桜の枝が 静かに手を伸ばしていた

          二月の公園

          意味不明な独り言

          世界は不幸で溢れている。 まるで果てしなく上へ続く階段を 永遠に登っているような、 そんな気持ちになる。 終わりはない。 どこまでいっても結局 人はみんな 自分の考えてることが全てで 馬鹿なふりをしても それがきっと正しいと 心のどこかで慢心して 疑わないから だからつまり、 結局 「誰か」を傷つけることになる。 憂鬱だ。 今月の引き落としのこと、  サイズの合わない靴のこと、  浮かない約束のことを 思い出す。 鏡を見て、 顎にできたニキビのことも。 「ずるい」という

          意味不明な独り言

          花と珈琲

          横断歩道を渡り、目的地を確認する。 駅前のどこにでもあるような小さな喫茶店。 ここに最後に入ったのは、たしか数年前の夏頃か。 当時の恋人と一緒に冷たいレモンティーを飲んだ記憶が蘇った。 十二月の凍るような風に晒されながら、来島は束の間、夏の温度を恋しく思った。 軽やかなベルの音。 こじんまりとした喫茶店の中は暖かく、コーヒーの香りが微かにした。 壁に掛かった振り子時計を見ると、待ち合わせの時刻より十分ほど早かったが、そこには既に二ヶ月ぶりに見る友人の姿があった。 「やあ」

          花と珈琲