父親同士のちょっとした諍いがあった話し
子供と近所の公園に遊びに行った時
父親同士のちょっとした諍いがあった話し。
日曜日に近所の公園に遊びにいった。
色んな遊具で遊ぼうと思っていたのに、
(いつもパパもわりと本気で遊びます)
ブランコ、ブランコ、ブランコと
鎖を引きちぎらんばかりにブランコに
狂う娘にへとへとになったところで
偶然、娘のお友達が合流してきた。
向こうも父娘コンビ。
子供同士で自転車に乗り公園の冒険開始。
俺は遠目に様子をみながら、ベンチで昼寝。
青空の中、小鳥もさえずり、青いヒゲも爽やかに風になびく。
しばらくすると何やら自転車を降り、
ゴニョゴニョ相談を始める子供ら。
どうやらお互いの自転車を交換して
乗ってみようということらしい。
ふたりは相手の自転車にまたがりレッツラゴー♪
と、そこでお友達のパパ登場。
「降りなさい。それはお友達の自転車でしょうが」という怒鳴り声が
髭をなびかせている風にのって聞こえてくる。
僕も近付いていくと、友パパは「すいませんでした」と謝ってきた。
え?これって謝られることなの?
「交換してただけですよ」というと
友パパは「自分のに乗りなさい」と子供に向かってまた怒る。
いつから子供同士の他愛ない貸し借りは罪深いものになってしまったんだろうか。
他人の物を無闇に欲しがらない。それは規律を守る上では大事な教えかもしれないが、
お互いが同意しての貸し借りもこの人の常識ではしてはいけないのか。
遊びの中で自然な好奇心を育み、お互いの物を共有し、人間関係も学ぶ、そんな貴重な経験を阻害することの方が罪ではないのか。
僕の青いヒゲはそんな思いを受けてか、著しくカールしていった。
すると、友パパはそれが不満だったらしく、
「なにか?」と眉間に皺を寄せ眉毛をつなげて威嚇してくる。
ちくしょう。なんだこの眉毛は。
一泡吹かせてジョリジョリ整えてやろうか。
そんな義憤にかられ、頭に血が上った時、5時のチャイムが鳴った。
もうスラムダンクの再放送が始まる時間だ。
全てを投げ捨てて帰るべきか。目の前のオヤジの眉毛を剃るべきか。
道は2つに1つだ。
しかし、しばらく間が空いたことを友パパは何かしらの答えだと受け取ったらしく、
「んふ~」という長い鼻息を残して帰っていった。
しらけた僕らも早々に帰った。
その帰り道の途中でこんな会話をかわした。
「どうしてあの人眉毛つながってたの」
「色んな大人がいるんだお」
「ふーん」
おわりぃ!!!