九段理江『東京都同情塔』の挑発。
友人の編集者に勧められて、九段理江『東京都同情塔』を読んだ。
ザハ・ハディッドの新国立競技場が建っていた仮想未来を描いた作品で、「「犯罪者」に対するこれまでの偏見や差別を、まずは言葉から変えていく」旗印のもとに、都心に豪華なタワーマンションが構想される物語だった。
こうしたディストピアアイデアとしては、松尾スズキが、ずいぶんまえに、覚醒剤の町を書いていたのを思い出した。全財産を寄付すると、覚醒剤が無限に供給されるポンプを装着できる。ただ、その町から出ることはできない設定