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永井紗耶子の『木挽町のあだ討ち』は、芝居町の人々の生をひととき輝かせる。
すでにお読みになった方も多いと思う。
永井紗耶子の『木挽町のあだ討ち』は、「藪の中」を思い出させる趣向のミステリーで、存分に楽しんだ。
『仮名手本忠臣蔵』をはじめあだ討ちは、歌舞伎の伝統的なテーマなのはいうまでもない。野田秀樹脚本・演出の『野田版 研辰の討たれ』は、二十世紀の新作歌舞伎として、新たな視点を導き出した。
あだ討ちは、観客の集団的な無意識によって大きく動かされる。あだ討ちを志した武士は、町人たちの声援によって、目的を果たす。野田秀樹は、役者のパフォーマンスが、観客によって左右されることを念頭に置いて、勘三郎主演のこの芝居を演出していた。
年々、演劇を観るのが楽しくなってきました。20代から30代のときの感触が戻ってきたようが気がします。これからは、小劇場からミュージカル、歌舞伎まで、ジャンルにこだわらず、よい舞台を紹介していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。