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紙の中の空想展

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令和6年10月23日~10月25日の3日間文翔館ギャラリー7にて開催される展示の解説です。
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紙の中の空想ー東西断片収集Ⅱー

10月23日~10月25日の3日間、再び文翔館ギャラリー7にて「紙の中の空想」展英語版タイトル”Wa…

Hasebe
1か月前
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空への憧れ1

鳥のように大空を飛ぶことは人類の長年の夢でした。1783年、フランスのモンゴルフィ兄弟が作っ…

Hasebe
4か月前
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空への憧れ2

1877(明治10)年、日本政府は気球製作に着手しました。開発された契機はちょうどこの頃勃発し…

Hasebe
4か月前
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雨の開化絵

私物のコレクションには色々な資料があるのですが、特にお気に入りなのがこの浮世絵です。 作…

Hasebe
4か月前
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永遠の都

イタリアへ旅した際、たまたま見つけた蚤の市で手に入れたのがこの地図です。 店主はルネサン…

Hasebe
4か月前
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幽霊の日

1825年の本日、江戸の中村座で四代目鶴屋南北作の「東海道四谷怪談」が初演されたということで…

Hasebe
4か月前
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天使のささやき

前回は幽霊の話でおどろおどろしかったので、天使の話です。天使のような人ってたまにいますよね。 天使は神によって創造された霊的な存在で、神と人間の間を仲介する存在でもあります。天使には理論上、性別がありませんが、絵画で描かれる場合は青年、女性、童子と様々な形態と性別を取って表現されます。こちらの絵を見る限り青年の天使でしょうか。 資料はアメリカの詩人ヘンリー・ワーズワース・ロングフェローが著した詩集の中にある『シチリアのロベルト王』の一場面です。挿絵はイギリスの画家ヘンリー・

江戸の中の異国

ご存じのように江戸時代は海外との交流が著しく制限されていました。他国との交流は長崎におい…

Hasebe
3か月前
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BINCHE(バンシュ)より

”TELEGRAMME”はフランス語で電報の意味です。送り先には「BINCHE(バンシュ)」というスタン…

Hasebe
3か月前
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遠くに行きたい

先日、たまたま森高千里さんの「風に吹かれて」という歌を聴きました。あまり邦楽は聴かないの…

Hasebe
3か月前
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美しき挨拶

古本屋でポストカードを物色していたら随分お洒落なカードを見つけました。 中を開くと「満足…

Hasebe
3か月前
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虞美人草

夏目漱石の作品に『虞美人草』があります。この作品の第11章に1907年(明治40年)に上野で開催…

Hasebe
3か月前
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観覧車の行方

ある日、古本屋で表紙が無い本を見つけました。 本を開くと両面に東京の様子が写された写真帳…

Hasebe
3か月前
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19世紀の詩集

挿絵が美しくて手に入れた2ページ。19世紀に出版されたスコットランドの詩人トマス・キャンベル の詩集の一部でした。 この詩集のタイトルは“TO THE RAINBOW(虹へ)“ です。 “その神聖なページに忠実に、 天は今もあなたの寿命を再建しているからである。その活字は、歳月を経ても色あせることはない、 人間に平和を最初に語りかけた” 挿絵画はウィリアム・ハーヴィーという木版画家です。精密で繊細な絵であることから木口木版と考えられます。木材で木口は輪切りにした際、年輪