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幽霊の日

1825年の本日、江戸の中村座で四代目鶴屋南北作の「東海道四谷怪談」が初演されたということで、幽霊の日だそうです。

「結神末松山(むすぶのかみすえのまつやま)」1837 年(天保 8年)より

『結神末松山』よりいくつか幽霊の断片がありましたのでご紹介します。

下の方に書いてある台詞は
「犬の糞があるから踏まぬようにさっしゃい」
「わしらには足が無いからそんな気遣いはいらぬがいの」
「足の速い人だもうちっと静かにござれ」
確かにこの幽霊達には足が描かれて無いです。よく言われているように幽霊に足がない絵を描いたのは円山応挙です。足がない幽霊の元ネタは諸説ありますが、「反魂香」中国の伝説上の香があり、焚くとその煙の中に死者が現れるというものだと言われています。

上の絵を見ると攻撃している刀が透けています。幽霊というのは物理攻撃が効かない煙のような存在であるようです。

その前の3枚の幽霊はどこかコミカルな感じがしますが、この絵は怖いです。ところで、幽霊といえば柳の下という気がしますが、これはしだれた柳の枝がユラユラ動く様が魂の揺らめきのように見えたからのようです。
近年の夏はとにかく暑いです。幽霊の絵を見て涼しく感じていただければ幸いです。

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