【私の本棚#12】書く仕事がしたい/佐藤友美
書く仕事がしたい
佐藤友美/CCCメディアハウス
読み終えたとき、涙がぽろぽろとまりませんでした。しかも病院の待合室でした。文書を書くことをお仕事にしている人はどんなことを考えてお仕事をしているのか、どんな働き方をしているのか知りたくてこの本を手に取ったはずなのに!
どうしたわたし?!
1. 涙が止まらなくなってしまった理由
ちなみに涙が止まらなくなってしまったのは322ページ〜325ページを読んでいる時でした。著者の友人から届いたメッセージを紹介していました。ライター講座の卒業生にインタビューを受けたとき感想を送ってくれたという内容から書く仕事に対する想いを綴っていました。
実は職場の同僚に「うちの会社の人は、スライド、メール、チャットの文言、文面にしか見ないです。あくまでもビジネスライクにまとまった論理的な資料を作れるか。というか他人を気遣ってくれる人とか稀です。その人とゆっくり話して、性格や人柄を知りたいと思う人はほとんどいないです。」と言われたとき、これから長く働けるのか違和感を感じていました。このもやもや感は何なのか。
わたしの気持ちを言語化するとこうなるのかと気づかされました。どうやら「目の前の人のことを、一生懸命に知ろうとすること。いま、世の中で起きていることを一生懸命に知ろうとすること。」を大事にしたいと思っていたんです。そしてこういった気持ちを大事にしていいんだと励まされました。「私が、この仕事を好きな理由はここにあります」、という部分を読み終えたときには、涙が溢れていました。
2. かけだしのコンサルタントからの視点
読み進めててきて、かけだしのコンサルタントの私にとっても参考になるところがたくさんありました。本書でいう切り口を変えてみるということになると思います。
インタビューをする準備
相手の表情をどう見極めて深堀りするのか
企画をどのタイミングで持ち込んでいるのか
年齢や家庭の事情に合わせた働き方の変化
人に仕事を紹介していくことで繋がりが深まる
disコメントへの対応 など
コンサルタントってクライアントに提案する仕事というイメージが強いと思います(私もそうでした)。しかし、プロジェクトによっては提案するために専門家の方にお話を聞くことがとても多いんです。その点、インタビューの準備や深堀りするタイミング、その後インタビューがどのように反映されたのかなど相手へも報告するなど丁寧に関わることが必要になってきます。一回限りではなくてゆるく接点を持っておくことで、別案件で新たに紹介していただくことにも繋がります。
また、disコメントへの対応は、ジョブマネージャーとのやり取りに活かすことができると思いました。というのも、クライアントへ提案する前の難関がジョブマネージャーからのコメントです。まずはそこを突破しないといけません。それが、普通にコメントをくれたらいいんですが、クセが強いです。コメントを貰うというより詰めるられる。𠮟るのはまだしも、怒鳴る、バカにしてくる方もいらっしゃいます。コメントを冷静に因数分解し、はいはい、これはただの怒鳴り部分ね、これは再考するところね、と分けて受け止め技術が必要だと身を持って感じました。すべて真に受けると私のように心が持たなくなり、仕事をお休みすることになりかねません。
3. さいごに
文書を書くことをお仕事にしている人はどんなことを考えてお仕事をしているのか、どんな働き方をしているのか知りたくてこの本を手に取ったはずなのに、わたしの場合は大事な気持ちを発見する、仕事観を見つめ直すきっかけになりました。著者の佐藤友美さんの講師をしているライター講座にも参加して見たいとも思っています。本書の詳細な内容についてはこちらのnoteもご覧になってください。著者の佐藤友美さんと編集者の方が対談しています。本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。