壤 晴彦

京都出身、幼少期から歌舞伎に触れ、狂言の世界から劇団四季に入団、退団後に蜷川幸雄氏の演…

壤 晴彦

京都出身、幼少期から歌舞伎に触れ、狂言の世界から劇団四季に入団、退団後に蜷川幸雄氏の演出舞台で多数の国内外公演に出演、声優や演出家、また演技指導者としても活躍している演劇人・壤晴彦の経験談や演技朗読について考えていることを綴るページです。認定NPO法人 演劇倶楽部『座』代表。

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  • 海外公演体験記「海の向こうでこんなこと言われた」

    20年以上ぶっ続けで参加した演劇の海外公演。 そこで出会った人たちが折々に言った・呟いた・叫んだ言葉の数々に「ふーん、彼らはそう思うのか」「なるほどね」「驚いたな」というのがいくつもあり、大きく言えば『文化の彼我の差』が視えてくるような気もする。 そんなわけで、「備忘録」のつもりで少し書いてみる気になりました。 ご興味あればお読み下さい。

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    壤晴彦ツイート集Ⅰ

    壤晴彦本人がつぶやくTwitter@HaruhikoJoから、演技や朗読に役立つ選りすぐりのツイートを集めた冊子。 ※このショッピングカートでのご注文は6冊までになっております。7冊以上まとめてご注文頂く場合は、演劇倶楽部『座』事務局までご連絡下さいませ。【℡ 03-6431-0377】
    1,000円
    『座』ネットショップ
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    「よだかの星」宮沢賢治

    作:宮澤賢治 朗読:壤晴彦 ピアノ演奏:松本好永 世の不条理に対して私はいったい何ができるのか?賢治の思う「生の証明」とは何か?思索しつつ語る壤の快演。 (ライブ録音)
    1,000円
    『座』ネットショップ
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    「どんぐりと山猫・山男の四月」宮沢賢治

    作:宮澤賢治 朗読:壤晴彦 連作「注文の多い料理店」中の寓意に満ちた二作を彩り豊かに語る童話朗読の至芸。 (ライブ録音)
    1,000円
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    壤晴彦ツイート集Ⅰ

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    作:宮澤賢治 朗読:壤晴彦 ピアノ演奏:松本好永 世の不条理に対して私はいったい何ができるのか?賢治の思う「生の証明」とは何か?思索しつつ語る壤の快演。 (ライブ録音)
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    「どんぐりと山猫・山男の四月」宮沢賢治

    作:宮澤賢治 朗読:壤晴彦 連作「注文の多い料理店」中の寓意に満ちた二作を彩り豊かに語る童話朗読の至芸。 (ライブ録音)
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最近の記事

『海の向こうでこんなこと言われた』#18

「目を見てお詫びを言ってやって」 ベルギーは人間の次にワンちゃんが多い。 道行く人の3人に1人は愛犬同伴だ。 ショッピングモールやスーパー、街の各店舗の前にはリードを固定出来るリングがずらりと並んでいる。 人間の意識もしっかりしていて、道の何処にもワンちゃんの「落し物」なんてない。 店舗の前にはパートナーを待つワンちゃんが数匹、時には数十匹、喧嘩もなければウロウロもせず、整然と座っている。 その日僕は大失敗をした。 歩道上で教会の建物をカメラに収めようとして思わ

    • 『海の向こうでこんなこと言われた』#17

      「ウエルダン!ウエルダン!」デレク・ジーターがメジャーリーグの殿堂入りをした。 で、ジーターにもちょっと関係のある話をひとつ。 かなり後になるがニューヨーク・リンカーンセンターで三島由紀夫作『卒都婆小町』『弱法師』 (よろぼし)』の公演があった。 千秋楽は夜公演のみなので、その年限りで取り壊されるヤンキースタジアムのデーゲームを観に行った。 ダフ屋から買ったのは一塁側のグランドに迫り出したエキサイティングシート。‥よくあんな席で観たものだ‥高確率でファウルボール直撃の

      • 『海の向こうでこんなこと言われた』#16

        「本日はドレスコードですが」遡って、エジンバラ公演で思い出したこと。 ひと月に及ぶエジンバラフェスの期間中、主催者判断で数回のレセプションが行われる。 『テンペスト』でエジンバラへ向かう前に招待状が届き 「こりゃ大変だ、タキシードを用意しろ」 ということになった。持ってる役者は殆どいない。 大慌てで借りるやら購入するやら。 僕は「これからもあることだから」と人に言われ、急いで新調した。 さて当日、会場のエジンバラ城大広間へおよそタキシードの似合わぬ一群がカチンカチ

        • 『海の向こうでこんなこと言われた』#15

          「日本人は○○用の蔵を持ってるんだって?」 ベルギーに行ったら古都ブリュージュを見ない手はない。 哀愁の小説『死都ブリュージュ』で有名なこの水の都は、緑に覆われた石畳の道、運河、市庁舎、教会‥燻んだ石積みの壁際から中世の僧侶や市民がふと現れそうで、妙に懐かしさを覚える不思議な街。 高所恐怖症の僕が83mもある鐘楼に登る気になったのも、街の空気に酔ったのだろう。 鐘楼からの眺望は超絶! 青い森と静かな家並みと煌く運河、聳り立つ教会の塔‥ 「近代」は何一つ目に入らない。 ‥

        『海の向こうでこんなこと言われた』#18

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        • 海外公演体験記「海の向こうでこんなこと言われた」
          19本

        記事

          『海の向こうでこんなこと言われた』#14

          「Ashin!Ashin!」 「待って、今通訳するから」『近松心中物語』のヨーロッパ公演はベルギーのアントワープから始まった。 この国の公用語は地域によってオランダ語(フラマン語)、フランス語、ドイツ語に分かれている。然し首都ブリュッセルやアントワープのような大都市には国中の人が集まるので、町の標識は勿論、看板やメニューまで3つの言葉で書かれ、人々も様々な言葉で喋っている。 我々の海外公演の劇場スタッフは現地採用。ベルギーでの建て込みや舞台稽古は大騒ぎだった。日本のメインス

          『海の向こうでこんなこと言われた』#14

          『海の向こうでこんなこと言われた』#13

          「イッツ・ユアカントリーズ・フォルト」話は半日遡る。 ベラニー氏のアトリエに行った翌日、ヘレンがホテルに迎えに来てくれて再びベラニー邸へ。 カンバスを見てびっくり。 巨大なプロスペローがいた。 明け方まで描いていたというベラニー氏が起きてきて 『ここから色を重ねて行くんだよ』 (実は僕は完成画を見ていない。描き上げてすぐ某博物館が買い取って行ったという。後に写真は貰った。それがこれ↓) その日は夜公演のみ。 『友人がガーデンパーティーをやるんで行かないか?』 「

          『海の向こうでこんなこと言われた』#13

          『海の向こうでこんなこと言われた』#12

          「お会い出来て光栄です陛下」プレイハウス3日目の終了後、フェスティバルのプロデューサーの招待でイタリアンレストランに行った。 会食中彼が席を立ち、暫くして戻って来た。 『ジョー、ちょっと来てくれ。紹介したい人がいる』 その席に座っていたのはなんと、 ショーン・コネリー氏だった。 『彼がプロスペローを演ったジョーだよ』 コネリー氏は僕を見てプロデューサー氏を振り返り 『‥冗談だろ?!』 (これはこの後何度も繰り返されたパターン。 プロスペローは弟の計略により幼

          『海の向こうでこんなこと言われた』#12

          『海の向こうでこんなこと言われた』#11

          「いいえ23よ」『テンペスト』エジンバラ公演3日目。 プロデューサーから 『初日の舞台を観て、君の絵を描きたいと言ってる画家がいるらしいんだけど、えっと名前はジョン・ベラニーさん。受ける?』 「え、ああいいですよ、楽屋入りに間に合えば」。 翌朝10時、ホテルロビーに現れたのは体格がよく目の鋭い髭面のおじさん。僕の顔をじっと見て、辺りをキョロキョロ。ロビーには僕一人。 「ベラニーさんですか?」 『イエス、フーアーユー?』 「ジョーです」 『ジョー?‥プロスペローをやった?

          『海の向こうでこんなこと言われた』#11

          『海の向こうでこんなこと言われた』#10

          「学校で苦しめられたから」エジンバラで滞在したドンマリーホテルのバーにメガネをかけた若いバーテンさんがいた。 『君らはフェスで何をやるの?』と訊かれたので 「シェイクスピアの『テンペスト』だよ」。 すると肩を竦めて呆れたような表情になった。 「ちょいちょい、日本人がシェイクスピアやっちゃいけないのかよ?」 若い共演者が言うと、彼は驚いて、 『違う違う!シェイクスピアには学校で苦しめられたから』 彼の学生時代、英国ではシェイクスピアは必修科目で、メアリーとチャールズのラ

          『海の向こうでこんなこと言われた』#10

          『海の向こうでこんなこと言われた』#9

          「フロントページだよ!」「盗んででも観よ」 いよいよ『テンペスト』初日。 朝、共演の嵐徳三郎さんと田中裕子ちゃんから、赤い石の指輪をプレゼントされた。僕のラッキーカラーが「赤」だから2人で用意してくれたのだ。 さて劇場。 チームの空気は重い。 実は僕は決めていた。 「失敗したら死のう」 2度とはないチャンスをモノに出来ないようでは生きていても甲斐はない。この大仕事を託してくれた演出家やプロデューサー、又共演の皆さんにも申し訳が立たない‥本気だった。 開演30分前、観

          『海の向こうでこんなこと言われた』#9

          『海の向こうでこんなこと言われた』#8

          「マイタイム」 2度目の海外公演体験は エジンバラでの『テンペスト』(シェイクスピア)。 これを機に一気に海外での交友関係が増えた。 もの凄い体験だったので数回に分けて。 エジンバラ国際フェスティバル 毎年8月から9月にかけて、演劇や音楽バレエなどのステージアート、映画、絵画など、世界中から凡そ1000の作品(うち招待は1割弱)が集う、世界最大級のフェス。 蜷川さんとの2作目『ハムレット』の稽古中、8月中頃エジンバラフェスで上演する『テンペスト』に主演予定の役者さん

          『海の向こうでこんなこと言われた』#8

          『海の向こうでこんなこと言われた』#7

          「この席で観てあげて」 「その日なら‥」 チケットの話をしよう。 「ハーフプライスチケットブース」をご存知だろうか? 劇場街の各劇場で売れ残っている当日券情報を集めて、半額(+手数料)で売ってくれる券売所。 ニューヨークはタイムズスクエアに ロンドンはピカデリーサーカスから歩いてすぐのレスタースクエアガーデンにある。 テントのような尖り屋根の小屋の脇にボードがあり、そこにその日扱っている演目が、ストレートプレイ・ミュージカル・オペラ・バレエなど種目別に並んでいる。

          『海の向こうでこんなこと言われた』#7

          『海の向こうでこんなこと言われた』#6

          「どこかおかしいところありますか?」 マーティン・ネイラーさん・英国人。 海外の事情に詳しく、日本のプロダクションや劇団から相談を受けている。 彼から「ロンドンに行くならこの人に会うといい」と紹介されたのは、 作家で演出家のデビッド・ウッド氏。 ロンドンの中心街から電車で約40分、 ウィンブルドンの自宅にウッド氏を訪ねて色々話をする中で 『そうだ!あの芝居を観たらどう?』 ウィンブルドンで自主制作をしているポルカシアターが、夏のジャパンフェスに上演した『日本の物語』を続

          『海の向こうでこんなこと言われた』#6

          『海の向こうでこんなこと言われた』#5

          「今夜はいい夜になりますよ」 ロンドンタクシー。 今は様々だがかつては黒塗りのオースチンFX 4がその代名詞だった。 客席は広く、前方に収納された椅子を倒すと向かい合った形になり、最大5人まで乗れる。 乗る人数が1人増える毎に料金が加算されるシステム。 タクシー運転手のライセンスは超難関で、それこそロンドンの隅々まで知悉していなければならない。 同じ名前を冠した「ストリート」や「ロード」「レーン」「アベニュー」「コート」が全く異なった地点にあって紛らわしいのだが、 例

          『海の向こうでこんなこと言われた』#5

          『海の向こうでこんなこと言われた』#4

          「あなたたち、○○するんでしょ?」「ロンドンに暮らすことはね‥」 セルマ・ホルト‥この人のことはこれから何度も触れると思う。 英国一の女性舞台プロデューサー。 リミッテッド(期間限定)のみの良心的で質の高い作品作りに定評がある。 つまりロングラン狙いの投機的な制作はしない。 数々の演劇賞を受賞。 デーム(栄誉称号・男性はサー)の叙勲を受けている。 この人がニナガワ演劇のヨーロッパ公演を全て仕切っていた。 それで僕も20数年間、毎年顔を合わせ、とても仲良しになった。 彼女

          『海の向こうでこんなこと言われた』#4

          『海の向こうでこんなこと言われた』#3

          「バカね、5時に行きなさい!」「こっちから観ていいわよ」 #1・2でも触れた『NINAGAWAマクベス』渡英と同じ頃、 ロンドンでは新しくオープンしたミュージカルの話題が沸騰していた。 アンドリュー・ロイド・ウェバー作曲の『オペラ座の怪人』 その時点(9月)で開幕から6ヶ月満杯続き、 翌年の3月まで完売というメガヒット! 四季時代に『ジーザース・クライスト・スーパースター』や『エビータ』で彼の作品と格闘して来た自分としてはとても気になるわけで、 『NINAGAWAマクベ

          『海の向こうでこんなこと言われた』#3