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タイムトラベラーの憂鬱


いくつもの選択を繰り返し
置き去りにした 切り捨ててきた
目を背けてきた
立ち尽くしたままでいる

不器用で単純な言葉に
ふいに
埃を被って埋もれていた
記憶が呼び覚まされて、
過去に手を引かれていく

胸を焦がすのは、甘く物悲しい衝動
懐かしい空気に包まれて、
二度と手に入らないものたちの
影に触れる

目を逸らすことは出来ないけれど
その影さえ、日暮れとともに幻に変わる

かつて手に入れ、手放したものたちが
伝えるものは何か
心いっぱいにその風を吸い込んでも
通り抜けていく夏の日の夢
過ぎ去りし日と過ぎ去り行く日の
淡い陽炎

明日は何の夢を見るだろうか

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