《絵本レビュー》とんかつのぼうけん
お昼は、近くのスーパーでお弁当を買いました。本当は本当はトンカツ弁当を食べたかったんですが、オエオエなるかもしれないと頭によぎり、仕方なくハンバーグ弁当にしました。(華麗なる年です)
ということで今日は、私が断念したとんかつにまつわる絵本【とんかつのぼうけん】のレビューをしたいと思います。
〔文〕塚本やすし
〔絵〕塚本やすし
〔初版〕2022年8月
《ストーリーについて》
ある日、カツ丼屋さんのトンカツが逃げ出しました。
カツ丼なんてなりたくないよと、カレー屋さん・パン屋さん・定食屋さんといろんなお店を巡ります。
果たして、違う食べ物になれるのでしょうか?
空飛ぶ主人公のトンカツが、好奇心旺盛にいろんな料理になりたいとチャレンジする美味しい物語です。
《10コの好きなところ》
【表表紙・裏表紙】
表表紙には、主人公のトンカツが舌を出しワクワクしている様が描かれている。裏表紙は、カツ丼からピョンと逃げる様が描かれている。かわいい。
【見返し】
〝とんかつすごろく〟や〝ほんもののとんかつをさがせ!〟など、ちょっとしたミニゲームがあり、ここでも楽しむことができる。特に、すごろくは中々進むことが難しそう(笑)で物語に登場する飲食店も出てくるので、子供達も話が読みやすくなるのかもしれない。
【題字の文字】
ピンクとクロ色がトンカツ&豚っぽい。書体も親しみがあって、リズミカルなレイアウトにしているところも主人公の性格と連動しているように思う。
【絵】
登場してくるカツ丼屋のおじさんや子供達、主人公のトンカツ君など、表情豊かすぎておもしろい。
そして、豊かすぎるため、共感や想像力を掻き立てられる。全体的に色が濃いところや多角的な視点から描かれているためスピード感満載!!
【文】
主人公トンカツ君が、いろんなお店でその料理に加わろうとするが、どれもこれも思ってたんと違う様が滑稽で愛しい。
【構成】
カツ丼屋から脱飛→カレー屋で思ってたんと違う→パン屋で思ってたんと違う →定食屋で思ってたんと違う →牧場で休憩→カツ丼でしっくりくる
【キャラクター】
猪突猛進で飛べる好奇心旺盛のトンカツ。豚の顔としっぽがあり、足がないところがトンカツ君らしい。アンジャッシュの小嶋さんのようなツッコミもおもしろい。
【舞台設定】
カツ丼屋・カレー屋・パン屋・牧場
【しかけ】
餅つきのようなリズムがある物語の構成が素敵。何度も諦めることのないトンカツ君にも拍手。
【ハッピーエンド】
結果的には、カツ丼になったトンカツ君が、とぉーーーっても嬉しそうでハッピーエンド♡
《読み聞かせをしてみて》
『え?トンカツくんは ぶたなの?』
『ていしょくやの おばちゃん こわいよっ!』
『まぁ わたしたちは ハンバーグがすきだけどねっ♪』
と言ってました。
私の感想としては、カツ丼食べたくなりました。それくらい、主人公のトンカツ君のファンになりました。
《おしまいの言葉》
2012年に、修道女でもある故・渡辺和子さんが書いた〝置かれた場所で咲きなさい〟という本を思い出しました。
主人公トンカツ君は、お客さんの話を聞いて、違う食べ物になりたいと逃げ出すんですよね。
でも、巡り巡って結局はカツ丼になることが一番しっくりきたようで。
これは、冒険でもあり教訓のようにも感じましたよ。
私も、トンカツ君のように冒険しながらも、置かれたところで根を伸ばしマイペースに咲きたいものです。
そして、今日の晩ご飯はカツ丼にします!では、またっ☆彡
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