マガジンのカバー画像

ちいさなエッセイ

6
ひとりごとのようなエッセイ‥🌿
運営しているクリエイター

記事一覧

迷宮への入り口

まるで迷宮への入り口
夏の異空間

果たして向こう側へ辿り着けるのだろうか?

筍

筍の旬がやってきた。
有り難い事に、あちらこちらから掘り立ての筍をいただく。掘り立ての筍は趣きのある着物の柄のようで、とても美しく惚れ惚れする。

と、見惚れてばかりはいられない。
筍は掘ったら直ぐに茹でなくてはならない。
アクが出てくるからだ。
そして、茹で方が一手間かかる。

用意するものは、糠、唐辛子。
糠はいつもの精米所に行けばいくらでも貰える。唐辛子もたくさんいただいて干してある。

もっとみる
お道具箱

お道具箱

94歳になるご婦人の話

彼女には大切にしている箱があって‥。
ガムテープで修理をしながら使っていた。

中には鋏や糊なんかが入っていた。
いよいよ自分で修理するのが大変になってきたのか、ガムテープ貼りを頼まれた。

修理する傍らで、彼女は初めて箱の説明をした。

え!何年前の事だ?
7歳として87年前!
ずっと使っていたのか。
87年感も!
修理しながらずっとか!!

私は絶句した。

たったの

もっとみる
糠床

糠床

「沼地のある森を抜けて」梨木香歩
読み進むうち、以前読んだことを思い出した。確か、その時は途中で挫折した。
しかし、二回目は違った。とても感触の良い読後だった。おそらく私は変化したのだろう。

義母から糠床を預かるようになったのは、その読後だった。リアル糠床である。
「沼地のある森を抜けて」にあるように、糠床は毎日かき回さなくてはならない。

祖母が亡くなった時、義母が私に譲ろうとした。順番ですか

もっとみる
手塚治虫と青菜に塩

手塚治虫と青菜に塩

白菜とシーチキンの炒め煮をよく作る。
はじめに白菜を炒めるのだが、その時塩を入れる。塩を入れるとたちまち白菜はフニャフニャになる。塩をふり入れながら思い出す事がある。毎回必ず思い出す事が‥。

手塚治虫の漫画「鉄腕アトム」である。
何巻かは忘れてしまったが、白菜みたいな宇宙人が地球侵略にやってくる話がある。
そしてアトムでも、なかなか勝てない。地球がピンチに追い込まれあわやというところで、たまたま

もっとみる
畑の野菜

畑の野菜

田舎に暮らして33年が経つ。
よく、畑直送のお野菜を頂く。

スーパーのお野菜と違うのは、虫も一緒に来ること。白菜を洗っていると突如、ニョッキが現れる。最近は、虫がいそうだとわかるようになった。一度、サニーレタスを食べた時、虫が歯に挟まって、ひきつった!!それからは、サニーレタスは丁寧に洗うようにしている。
大変なのは、ほうれん草。よく見ないと雑草が混じっている。食べればいいようなもんだが、いやは

もっとみる