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恋愛詩

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all we need is love‥🌷
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青い夕暮れオレンジの月

青い夕暮れオレンジの月

青い夕暮れに
月を見ていました

あなたが
まったりと満ちてきます

月はオレンジ色の窓
開け放てば
地球の何処へだって行ける

静かに青は濃さをまし
いつか夜になっていきます

あなたに
優しく満たされたまま

いつまでも
いつまでも

月を見ていました

勿忘草色

勿忘草色

目を閉じて
胸を掻いて
沈んでいく

探しているものはどこ
手にふれる勿忘草

忘れたいのに
忘れられない

忘れたくないの
忘れないでほしいの

素直になれたなら
勿忘草色の気持ちに
なれたなら

ふと浮いていく

勿忘草が優しく
風に揺れる

水無月に

水無月に

篠突く雨

水はめぐる
身体をめぐる
星をめぐる

馳せていく思い
とめられない思い

愛は透明な水なのか

紫陽花

紫陽花

ちっぽけな
ちっぽけな私です

それでも隅っこから
見つめていました

あなたはいつも
眩しかった

手の届かない太陽でした

紫陽花は曇り空に
とても綺麗で

雨が降れば
恋しても
いいですか

あいおもい

あいおもい

鳥 鳴かず
蛙 鳴かず

濃い桃の空
鎮まりて
窓を慕い

ひややかに
入りきて
納まる目なし

床を這い
寝息にかぶさり
連れてゆく

紛う方なき
彼の国(かのくに)

相思い
待ち侘びて
言わずもなが
手を取り目合う

たったひとつ

たったひとつ

キリがない
どこまでいっても
何を得ても
満足できない
我儘なの?
贅沢なの?

欲しいものを
間違えているのかな
欲しいと思っていたものは
ほんとうは取るに足りないものだったのかも

人と比べながら
焦りながら

喘いで求めていた
取るに足らないことを
いつか身体と消えてしまうものを

ほんとうに欲しかったのは
あなたといること

そして
あなたでなくては
だめだということ

邪魔なプライド

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SNSのある夜

SNSのある夜

澄んだ過去の中に入れて
いつも眺めていました
止まったままの二人を
育てることの出来なかった
時を

何も変わらず
いつまでもそこに在ると
そう信じていたから
長い月日にも耐えてきたから
大丈夫だと思って
とうとう外に出しました

知らぬ間に時代は
澄んだ過去を
最も簡単に一跨ぎ

二人を繋いではくれたんだけど
今の風に
あなたは蝕まれていました

何処へ向かえばいいのだろう

届けられなかった手

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千代紙

千代紙

二人裸で抱き合えば
肌に張り付く 
セピア色のポートレートが
千代紙になる
そんな冬の夜

虹

今年の夏は
ほんとうに暑くて
晩夏に至って
この数日
夕立が続いています

雨に向かって走っていると
グレーの空に虹
半円の虹です
これは特別なこと
幼いころからそうなのです

虹は皆んなで見るものです
だけど
あなたと一緒に見たい
一番に知らせたい

虹はいつも
まってはくれないから
道の脇へ車をとめて
虹をとどめようと
スマホに指をあてました

でも思ったように撮れなくて
どうしても一緒には見

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忘れもの

忘れもの

さみしいのは朝だった
半分になった洗濯物

束の間のバカンスは
瞬く間に過ぎて

歯ブラシも髭剃りも
何一つ忘れてはいなかった

昨日は泣かずに
いれたのに

何かひとつ
忘れていってくれたら
すぐにまた会えるのに

蝉が鳴いてる
さみしいのは朝だった

リフレイン

リフレイン

ここにくると
あなたに会える気がする
あの日と同じ
夕暮れのサイレン

そんなはずないのに

私たちは皆んな
大人になった

何もいらなかった
時にさえも抗えた

love songが
耳の奥で鳴っている

会えるはずもないのに

ふたり

ふたり

「ふたり」

もう少し
もう少しだけって
いつも
いつまでも

それでもいい
だめでもいい
そう思って
これからも

何処にも向かってないし
欲しいわけじゃない

ここにしかないって
どこかで
そう信じてる

可笑しいね
離れられない

そんなふたり

陽だまり

陽だまり

窓の外は肌寒い
陽だまりひとつ
ほっと微笑む
丁寧に掌でつつんで

とどけたい人がいる
それは幸せなこと
どんなに
離れていても

陽だまりを
大切に仕舞っておく
いつかのその日まで

会えたとしたら
この陽だまりを
あなたの大きな掌に

小鳥

小鳥

あなたの肩先に
チョンと乗って
ほっぺを突っつくの

あなたはKISSをくださいな

それから
はたりと掌に降り
静かに目をつむります

そっと撫でくださいな

それから
スゥスゥ〜眠ります
小鳥のまんま眠ります

優しく包んでくださいな