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摂食障害の長い長いトンネルを抜けて~元摂食障害当事者からのメッセージ~㉞
洋服、アクセサリー、雑貨、コスメ・・・欲しいものはたくさんあるけど、今の私は、給料のほとんどを過食費とお酒に使ってしまって、ほかのものを買う余裕はなかった。
「痩せたい、でも食べたい、って、私が心からやりたいことなのかなぁ・・・もし、過食せずに済むのなら、食べたい猛獣が襲って来ないのなら、本当は、他のものを買ったり、他のことにお金を使ったりしたい・・・」
*
「過食用の食べ物やお酒を買わなければ、こんな私でも今よりはおしゃれになれるかな・・・」
でも現実世界では、無意識にコンビニへ足が向いていた。
「結局今の私には、買い物と過食嘔吐しか出来ない、のかな」
先生も、(余り無理しないで、今出来ることをやってみて)と言っていたから、今の自分にはこれが精一杯なのかもしれない。
「どうせ買うなら、たとえコンビニでも、少しでも食べたいものを買ってみよう」
今までは、値段の割に量が多いもの、とにかく甘い物や揚げ物を真っ先に買っていたけど、今日はほんの少しだけでもじっくりと商品を選んでみよう、と思った。
「同じお菓子でも、100均のものより、メーカーのお菓子の方がやっぱり美味しそう・・・でもやっぱり高いな」
この前デパ地下で派手に買い物をしたから、少しお金が心配だけど、今日だけでも本当に食べたいものを買ってみたって、許されるのでは・・・そう思って自分を振り切って、一つづつカゴに入れていった。
「パンだって、あんぱんやクリームパンより、コンビニのドーナツとかの方が美味しそうだし・・・お酒も、たまには濃い目のハイボールばかりじゃなくて、ワインとか買ってもいいかな?」
誰に許可を求めているんだろう・・・もしかしたら、私は、自分自身に許可を求めているのかもしれない。そう、いつだって、私は、自分自身に許してもらえないのかもしれなかった。
「自分から逃れられない、とか、私が私自身に追われている、とか。もしかしたら、私が向き合うべきなのは、先生の言う通り(私自身)なのかもしれない・・・」
(痩せたい、痩せたくて仕方がない)から始まった、私の摂食障害。先生の言う通りにしていれば、もしかしたら摂食障害にはならなかったのかもしれない。でも私は、先生のメニューによる痩せ方だけでは満足出来ずに、自分の判断で食事制限をし始めた。そして、どんどん自分で(マイルール)を増やしていった結果、何を食べても太るんじゃないか、なんて極端な考え方をするようになっていった。結局、痩せたくて仕方がないのに食べたい猛獣には勝てなくて、過食嘔吐を覚えてしまった・・・
「もし私が、私のことを許してあげたら、(食べてもいい、痩せなくてもいい)って、許してあげたら、摂食障害は治るのかな・・・」
でも現実世界では、それはまだまだ許されることではなかった。
今日もありがとうございます。
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