摂食障害の長い長いトンネルを抜けて~「痩せたい」と「食べたい」のその先へ~237
「私、こんな生活をいくつになっても続けるのかしら。何も変わらなければ、何も変えなければきっと一生このままなのよね……」
そう考えると、急に怖くなってきた。40になっても、50、60になっても、定年退職しても今と同じことをしているのだろうか。今と同じことしか出来ないのだろうか。
ふと空を見上げると、今日も月が輝いていた。
月も星も太陽も、空が晴れ渡っていればいつも変わらず光輝いている。
そう、みんないつも変わらず自分の役目を果たしている。
私も、いつも大して変わらず過ごしていることは同じかもしれない。
けれど、自分の役目を果たしているのかと言えば、果たしていないのかもしれない。
もう何年も、痩せることと食べることに囚われて、拘って、躓いて、莫大なエネルギーと、時間と、お金を費やしてきた。
本当は、ごく『普通』の20代なら、もっともっと別のエネルギーの使い方、時間の使い方、お金の使い方がきっとあったはずなのに。
そして、心も身体も全てを痩せることと食べることに捧げてきた。
もう私は、疲れてしまった。
何かをすることにも、何かをしないことにも。
何かを考えることにも、何も考えないことにも。
もう私は、疲れ切ってしまった。
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