命について
「命って何だろう」、「生きるって何だろう」。
そんなことを最近よく考えるようになった。
命に重い軽いなんて無いって言うけれど、少なくとも命の「長さ」について神様は残酷すぎやしないだろうか。生きたい思いにみんな違いはないのに。
生きている意味や生きる目的、目標を問いかけられた時、僕は答える術を何も知らない。言葉1つ出ない。普段そんなことを考えたことがないから。
街行く人々を見て「あの人の服いいなぁ」と思うことはあっても、「でも自分はあの服をあと何年着れるだろう」と思う人はどれほどいるだろう。
人は命について真正面から向き合う時に初めて、ささやかな日々の中にかけがえのない時間があったことに気づくのだろう。過ぎてから気づくことがいかに多いことか。
僕も辛い日々は随分と長く経験してきた。
その日々の中で人生を嘆き、号泣し、いっそのことこの命ごと他の誰かにあげたいと思い続けたことがあった。でもやっぱりそれは違った。
長い長いトンネルを抜け出せた時、「生きててよかった」と思えたからだ。自分は逆境の中でも生きたかったんだなと実感できたから。
そして運命に導かれるように目標が見つかり、周囲の人への感謝の気持ちを持てるようになった。
どんなに辛い時でも支えてくれる人や動物がいた。
そんな人や動物に出会えたことも当たり前じゃない。それは1つの奇跡であり、一生の宝物なのだ。
自分が何気なく過ごした「今日」は、生きたくてもそれが叶わなかった人が痛切に願った「明日」である。命を大切にするってそういうことを毎日、思うことなんじゃないかな。
夢はいつまでも続いていく。
もし叶うなら、今まさに命と向き合っている「あなた」に僕はひと目でいいから会いたい。
そして伝えたい。
泣いてもいい。
逃げてもいい。
でも、忘れないで。
でも、僕たちと一緒に過ごした日々があったこと、一緒に笑ったこと。
どうか諦めないで。生きるということを。